Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究は、分子レベルの高次構造創発のメカニズムを、階層的シミュレーションを用いることにより分子論の観点から解明することを目的とするものである。昨年度(H24))は、粗視化を溶媒モデルにのみとどめたモデリングに於いて、当初ターゲットとした、二配座配位子24 分子と、平面4 配位遷移金属(Pb2+)12 原子との計36 個の要素から形成される球状錯体M12L24球状錯体系より構成要素数の少ないM6L8系に於いて、自発的な球状錯体形成をシミュレーションにおいて再現させることに成功した。H24年度は、上記でM6L8系に適用したシミュレーションモデルを、当初のターゲットであるM12L24系に適用し、その自発形成能を検討した。その結果、M6L8系と基本的に同様の、1.自己集合、2.構造進化、3.構造捕捉の3つのステージプロセスにより、M12L24系においても球状錯体自発形成が得られ、当該シミュレーションモデルの妥当性がより大きな系でも確認できた。一方で、同程度の計算時間スケールでは、M12L24系ではM6L8系より完全な球状錯体形成のイールドが遥かに小さく、この点でモデル改良の余地があることも明らかとなった。イールドが低い原因について詳細に解析すると、M12L24錯体形成に至る以前に特定の構造へのトラップが生じている事が明らかとなった。これらのトラップ構造はエネルギー的にM12L24錯体より不利のはずであるが、現在のモデルではこのエネルギー差の再現が不十分であることが原因と思われることが判った。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2012 2011
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results)
Journal of the American Chemical Society
Volume: 134 Issue: 35 Pages: 14401-14407
10.1021/ja303542r