Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では神経細胞種特異的に起こる選択的スプライシングに注目し、それを制御する分子機構の理解に迫った。この選択的スプライシングは、複数のRNA結合タンパク質により制御されており、これらの分子の発現の組み合わせが神経細胞の個性を既定していることが強く示唆された。蛍光タンパク質により神経細胞での選択的スプライシングをモニターする線虫株(以降、ASレポーター株)を作成し、この株を変異原処理することにより神経細胞種特異的な選択的スプライシングに異常を示す株を2ライン単離し、原因変異のマッピングを行った。哺乳類の脳で組織特異的な選択的スプライシングを制御することが知られる分子の変異体とASレポーター株を掛け合わせることで、線虫の神経細胞種特異的な選択的スプライシングのパターンが乱れる変異体を10ライン同定した。以上の解析で同定した選択的スプライシングに関わる遺伝子の中から、その寄与が大きい4種類の遺伝子に注目し、遺伝学的相互作用と発現細胞の解析を行った。これらの遺伝子のうち、3種類はカセットエキソンの挿入を正に制御し、1種類は負に制御する。カセットエキソンの挿入を促進する分子のうち、UNC-75(CELFファミリータンパク質)は殆どの神経細胞種で発現する。また、UNC-75と相互作用する2種類の遺伝子は、神経細胞の中でカセットエキソンの挿入が顕著にみられる細胞種でのみ強い発現が見られた。一方、カセットエキソンの挿入を抑制する分子はカセットエキソンのスキップが高頻度で起こる細胞種で強い発現が見られた。以上の解析から、UNC-75及びそれと協調的に働く複数の分子が神経細胞種に特異的な選択的スプライシングのパターンを既定しているという制御モデルが得られた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2012 2011
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (3 results)
Journal of Neurophysiology
Volume: 106 Issue: 1 Pages: 301-308
10.1152/jn.01029.2010
Hikaku seiri seikagaku(Comparative Physiology and Biochemistry)
Volume: 28 Issue: 2 Pages: 231-239
10.3330/hikakuseiriseika.28.231
10029409368