Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
細胞膜に局在または細胞外に分泌される蛋白質のほとんどは、糖鎖やプロセッシングなどによる翻訳後修飾を受けることによって正しい機能を発揮する。私達は、そのような翻訳後修飾の制御としてmRNAの局在が重要であると考え、それを検証することにした。翻訳後修飾のモデル系としてGPIアンカーに着目した。その理由は、GPIアンカーが付加される蛋白質DlpのmRNAが、ショウジョウバエの上皮細胞で核膜近傍の小胞体に局在していたことにある。この核膜近傍の小胞体へのDlp mRNAの局在が重要であるかを調べるために、3’UTRを他の遺伝子のものと交換したmRNAを発現させた。その結果、Dlp mRNAは核膜近傍の小胞体以外の小胞体に局在するようになった。次に、その翻訳産物の局在を調べたところ、核膜近傍の小胞体以外の小胞体で翻訳されたDlp蛋白質は、本来局在するべき細胞のラテラル側の細胞膜以外にも局在するようになった。このことは、Dlp は、そのmRNAが正しい小胞体で翻訳されることが、その産物の局在に重要である可能性を示唆している。次に、なぜ核膜近傍の小胞体で翻訳されることが重要であるかについて検討した。まず、GPI生合成酵素蛋白質の局在を調べたところ、驚いたことに核膜に局在することを見出した。このことは、GPIは、今まで言われてきたように小胞体で合成されるのではなく、核膜で合成されていることを強く示唆している。すなわち、核膜で生合成されたGPIが近傍の小胞体に輸送され、その小胞体で翻訳された蛋白質に効率的にGPI付加がなされている可能性が示唆された。以上の結果は、蛋白質の翻訳とその修飾のカップリングを示唆するものとして興味深い。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2012 2011
All Journal Article (5 results) (of which Peer Reviewed: 5 results) Presentation (2 results)
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