Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
嗅覚は動物にとって、食物の探索、危険の察知、社会性コミュニケーションや繁殖など、個体の生存と種の維持に関わる重要な感覚システムである。匂いの源から発せられた匂い分子は末梢感覚ニューロンによって受け取られ、その情報は匂い分子の化学構造を基にした匂い地図として脳の嗅球に投影される。また、動物が匂いの質に応じて様々な行動を出力するためには、高次中枢が嗅球の匂い地図を適切に読み取る必要がある。しかしながら、嗅球から高次中枢に至る二次嗅覚経路の神経接続様式および匂い情報処理様式はほとんど解明されていない。我々はこれまでに、蛍光タンパク質のモザイク発現により、ゼブラフィッシュ稚魚の嗅球ニューロンを単一細胞レベルで可視化することに成功している。本研究ではこの手法をさらに発展させ、多角的蛍光イメージングによりこの問題にアプローチした。成魚において単一の嗅球ニューロンを可視化することを目的として、Creリコンビナーゼ依存的に蛍光タンパク質の発現がRFPからGFPに変換されるトランスジェニック系統を樹立した。また、同一個体での多色標識を目的として、CFP, YFP, RFPのいずれか一つを嗅球ニューロンで確率論的に発現するBrainbowトランスジェニック系統を樹立した。神経接続様式の解明には、軸索軌跡の解析とともにシナプス結合特異性の解析が必須である。そこで、シナプス結合の可視化を目的として、膜局在型splitGFPの相補フラグメントをそれぞれtTA/TREおよびGal4/UASシステムを介して発現誘導する系を構築した。嗅球から高次中枢に至る神経配線図を機能的な側面から理解するために、嗅球の匂い地図の包括的解析を行った。神経活動レポーターGCaMPによるカルシウムイメージングと神経活動マーカー分子の免疫組織化学を組み合わせることで、匂い地図の全貌を明らかにした。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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