Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
今年度は、神経形態・回路形成に異常を示す新規メンブレントラフィック関連変異体dogiの解析を更に進めた。まず、dogiと結合する分子としてGlued(Dynactin)を見出したため、dogiとGluedの関係に着目した。Gluedは、Dyneinモーター蛋白質を制御するDynactin複合体の重要なサブユニットの1つである。では、dogi変異体神経内では、どのような物質輸送が異常になった結果、軸索伸長異常が起きているのだろうか?私は「初期エンドソームの輸送異常」が結果的に軸索突起伸長に影響を与えているとの仮説を立てた。まず、S2細胞でdogiをノックダウンし、様々な初期エンドソームマーカーを調べた。その結果、dogiノックダウン細胞では、エンドサイトーシス自体は起こるものの、その後の初期エンドソームの輸送異常、形態異常が検出された。一般に初期エンドソームは、細胞膜近傍に形成された後、Dynein依存的な輸送により細胞核近傍まで輸送され、その過程で融合を繰り返し成熟初期エンドソームになる。しかし、dogiノックダウン細胞では、形成された初期エンドソームは長期間細胞形質膜の近傍に留まり、またそれらエンドソームのサイズは小さかった。すなわち、dogiノックダウン細胞では、初期エンドソームの成熟過程が異常になっていることが明らかになった。次に、初期エンドソームの融合・成熟を制御するRab5の活性化型をdogi変異体神経に発現させ軸索の長さを定量した。その結果、活性化型Rab5発現dogi変異体神経の軸索は、活性化型Rab5を発現していないdogi変異体神経に比べて、顕著に伸長していた。以上の結果は、進化的に保存された機能未知蛋白質Dogiによる軸索伸長制御機構を提示すると同時に、軸索突起伸長における初期エンドソーム成熟の重要性を示す初めての結果である。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2013 2012 2011
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (8 results) (of which Invited: 1 results)
Nature Neuro Sci.
Volume: 16 Issue: 6 Pages: 683-691
10.1038/nn.3389
PLoS One
Volume: 7