Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
転写は、遺伝情報発現の出発点であるが、細胞核において転写の場がどのように構築され、制御されるのかについての基本的問題は解明されていない。本研究では、転写の場の形成機構を明らかにするために、転写誘導可能な遺伝子アレイを保持する細胞を用いて、RNAポリメラーゼIIの活性化動態の生細胞計測を行った。本年度は、遺伝子アレイへのRNAポリメラーゼIIの集積、転写開始、転写伸長の計測データをキネティックモデルへフィッティングし、最もよく適合するパラメータの数値を導き出した。その結果、ホルモン刺激による誘導後に転写因子(グルココルチコイド受容体)が遺伝子アレイに結合後、2~3分でRNAポリメラーゼIIがリクルートされ、そのうち10%程度が1分程度で転写を開始し、さらにそのうちの80%が2分程度で伸長反応に至ることが示唆された。この転写から伸長への高い遷移効率は、これまで他のモデル系で示唆されていた結果とは異なっていた。そこで、転写を誘導する前からアレイ上に存在するヒストンH3のアセチル化に着目し、誘導前のH3アセチル化レベルの違いとRNAポリメラーゼIIの動態との関係について解析したところ、高アセチル化状態にある遺伝子アレイでは、転写因子がより集積すること、及び、転写開始から伸長に至る過程が促進されることが明らかになった。このヒストンのアセチル化と転写伸長との関係については、ChIP-seqやmRNA-seqを用いたゲノムワイドの解析によっても支持された。これらの結果から、ヒストンH3のアセチル化は、転写の場の形成と転写伸長の誘導の両方を促進すると考えられた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2013 2012 2011 Other
All Journal Article (10 results) (of which Peer Reviewed: 10 results) Presentation (5 results) (of which Invited: 5 results) Remarks (4 results)
Cancer Science
Volume: 104 Issue: 7 Pages: 889-895
10.1111/cas.12166
Dev Cell
Volume: 24 Issue: 6 Pages: 635-648
10.1016/j.devcel.2013.02.009
J. Cell Sci
Volume: 126 Pages: 1323-1332
10.1242/jcs.112623
J. Biol. Chem
Volume: 287 Issue: 51 Pages: 42654-42663
10.1074/jbc.m112.397950
The EMBO Journal
Volume: 31 Issue: 17 Pages: 3524-3536
10.1038/emboj.2012.197
J Cell Sci
Volume: 125 Issue: 2 Pages: 411-421
10.1242/jcs.090639
PLoS One
Volume: 7 Issue: 2 Pages: e31638-e31638
10.1371/journal.pone.0031638
Nucleic Acids Res
Volume: 39 Issue: 15 Pages: 6475-6488
10.1093/nar/gkr343
Nature
Volume: 476 Issue: 7359 Pages: 232-235
10.1038/nature10258
Acta Crystallogr.D Biol.Crystallogr.
Volume: 67 Issue: 6 Pages: 578-583
10.1107/s0907444911014818
http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/labs/hiraoka/kimura/index.html
http://www.dma.jim.osaka-u.ac.jp/view?l=jau=7721
http://www.dma.jim.osaka-u.ac.jp/view?l=ja&u=7721