Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
動物の脳は、感覚器によって受容された音がその個体にとって意味を持つか否かを瞬時に判別できる。しかし、どのような神経回路がどのような組み合わせで動作した結果、そのような判断を導いているのか、その神経機構は不明である。本研究課題では、動物の脳が音情報を認識する神経機構の解明を目指している。今年度は、前年度に確立したショウジョウバエの聴覚情報処理システムを解析する上で必要となる行動解析方法を利用して、野生型個体を用いた体系的な聴覚行動解析を行った。多様な人工音を作成してそれら刺激に対する応答行動を解析した結果、反応の閾値、刺激選択性、時間に伴う行動変化などを体系的に解明することができた。この結果は,今後、聴覚応答の選択性を担う責任遺伝子や責任回路を同定するための,必要不可欠な知見を提供すると期待できる。また、聴覚システムを構成する神経細胞群の解剖学的な同定解析も進めた。以前から使用している約4,000種類のGAL4エンハンサートラップ系統に加えて、今年度はさらに、脳画像データが公開されている7017種類のGAL4系統(アメリカ、Janelia farm由来)のスクリーニングを行い,解析に有用な系統群を同定した。これら系統群は,今後、聴覚神経回路の構成やその機能を調べて行く上で、重要なツールとなる。以上,本研究においてはショウジョウバエ聴覚系を体系的に解析するための基盤を構築するとともに、ショウジョウバエが示す聴覚行動の新規な特性を明らかにした。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Neuroscience Research
Volume: In press
J Comp Physiol A
Volume: 199 Issue: 4 Pages: 253-262
10.1007/s00359-013-0806-x
生化学
Volume: 83(5) Pages: 399-402
10029068486
http://www.bio.nagoya-u.ac.jp/laboratory/nc.html