Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
大部分のスフィンゴ糖脂質は、グルコシルセラミド合成酵素(GlcT-1)によって、セラミドにグルコースが転移され、グルコシルセラミド(GlcCer)が合成されることによって開始される。近年、GlcT-1 に対する阻害剤を肥満モデル動物に投与した実験から、スフィンゴ糖脂質の増加が、肥満などのメタボリックシンドロームの新たなリスクファクターの可能性が示唆されてきた。しかしながら、スフィンゴ糖脂質が生体内でどのような機構でエネルギー代謝制御に関わっているのかわかっていなかった。本研究では、ショウジョウバエをモデル生物に用いて、スフィンゴ糖脂質のエネルギー代謝制御における生理機能と作用機序を明らかにすることを試みた。ショウジョウバエと哺乳類では、スフィンゴ脂質合成に関わる酵素や、エネルギー代謝制御に関わるシグナル機構や遺伝子が保存されていることから、本問題解明に有効なモデル生物と考えられ、スフィンゴ糖脂質の普遍的な機能の提示につなげることが可能と考えられる。始めに、エネルギー貯蔵およびその制御において、最も重要な働きを担う脂肪組織(脂肪体)に焦点をあて、脂肪体おけるスフィンゴ糖脂質シグナルの同定を行った。その結果、ショウジョウバエにおいても哺乳類と同様に、脂肪体におけるグルコシルセラミド量と貯蔵脂肪量との相関関係があることを見いだした。さらに、GlcT-1の作用機序を解析したところ、エネルギー代謝制御に関わるp38-ATF2 シグナル経路の活性制御にGlcT-1 発現が関与することが明らかになった(J. Lipid Res., 2011)。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2012 2011
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)
J Lipid Res
Volume: 52 Pages: 1392-1399