Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
研究代表者は、昆虫の主要なステロイドホルモンであるエクジステロイドが、配偶子の適切な形成においてどのような役割を担うかを検討した。成虫の生殖巣、すなわち卵巣と精巣はエクジステロイドの生合成の場の1つと考えられている。平成23年度までに研究代表者は、既知のエクジステロイド生合成酵素の多くが、特に成虫卵巣の濾胞細胞や哺育細胞において発現することを確認した。平成24年度は昨年度に引き続き、上述の解析で発現が認められたエクジステロイド生合成酵素について、組織特異的な RNAi 法を用いた機能低下を試み、そしてその表現型を検討した。この過程で、エクジステロイド生合成酵素の1つ neverland 遺伝子の機能を、卵巣全体あるいは卵巣濾胞細胞特異的に阻害するための安定した実験系の確立に成功した。作出された neverland RNAi 個体においては、卵巣内におけるエクジステロイドタイターの低下が認められた。この卵巣特異的 neverland RNAi 個体においては、産卵数がコントロール個体に比べて有意に低下していた。この表現型は、成虫の食餌中に精製品の活性型エクジステロイド(20-ヒドロキシエクジソン)を添加することで回復した。さらに、この機能低下個体においては、卵母細胞を作り出すための配偶子幹細胞の数がコントロール個体に比べて減少していることが明らかとなった。以上の結果は、卵巣で発現するエクジステロイド生合成酵素のうち少なくとも Neverland は、卵巣においてエクジステロイド生合成に必須の役割を果たすこと、また卵巣で生合成されたエクジステロイドは配偶子幹細胞の数の維持を通じて適切な産卵数を保障することに必須の役割を果たすことを示唆する。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Presentation (10 results) (of which Invited: 2 results) Remarks (2 results)
http://www.biol.tsukuba.ac.jp/~rniwa/