Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
C. elegans(以下、線虫)は、生きたまま配偶子幹細胞群を観察でき、その発生進行が、餌の有無やフェロモン等に明確に応答することから、配偶子幹細胞の栄養応答の実験系として優れている。これまでの申請者の研究により、IIS経路が配偶子幹細胞の栄養依存的な発生進行に重要な役割を果たしていること、また、必須アミノ酸と、エタノールまたは脂質の混合物を与えることによって配偶子幹細胞の休眠を解除しうることを示唆する結果を得た。そこで、本研究では、まず最初に定量的PCRによって40のインスリン様因子の発現量を比較することによって、エタノールや必須アミノ酸添加によって誘導される複数のインスリン様因子を同定した。それらのインスリン様因子に着目し、以下の解析をすすめた。これまでに発現部位が報告されていない2つの遺伝子に関してGFPレポーター遺伝子を作成し、発現部位を調べたところ、一方は頭部の1対ないしは2対の神経細胞でのみ発現し、他方は咽頭の後部で発現していた。また、7遺伝子に関しては、いずれの単独欠失変異体も、大腸菌の摂食による配偶子幹細胞の休眠解除に顕著な影響が認められなかった。以上の知見より、複数の組織が栄養に応答してお互いにリダンダントな機能を持つインスリン様因子を産生・分泌し、配偶子幹細胞のの休眠を解除すると推測できる。また、液体培地にエタノールまたは脂質混合物と必須アミノ酸を添加した培地では、体細胞性前駆細胞と比較して、配偶子幹細胞の休眠解除の効率が非常に低いことから、いくつかの培養条件を検討したところ、脂質混合物と必須アミノ酸を含む寒天培地で効率よく休眠解除が促進できることを見出した。このことから、配偶子幹細胞の休眠解除は、栄養条件のみならず培地の基質が非常に重要であることが示された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2013 2012 2011
All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 4 results) Presentation (5 results)
Nature
Volume: 497 Issue: 7450 Pages: 503-506
10.1038/nature12117
Mol Biol Cell.
Volume: in press
Bio. Open
Volume: 1 Issue: 10 Pages: 929-936
10.1242/bio.2012836
Genes Cells
Volume: 17(9) Issue: 9 Pages: 778-89
10.1111/j.1365-2443.2012.01627.x