Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本年度は、概日時計の中心因子CRYのユビキチン化修飾と分解を担うF-box型E3リガーゼFBXL3と、その相同タンパク質FBXL21に着目した研究を展開した。まず、両遺伝子のKOマウスの行動リズム解析を行ったところ、Fbxl3/Fbxl21ダブルKOマウスではFbxl3-KOマウスで観察された周期長の延長が大きく緩和された上に、行動リズムが消失するという顕著な行動リズム異常を示した。並行して分子レベルの解析を進め、FBXL21がCRYをユビキチン化して安定化することを見出した。さらに、質量分析によりCRY1・2のユビキチン化部位を複数同定し、FBXL21による安定化制御に必須なユビキチン化部位を決定した(本研究領域の計画班員である東大医科研 尾山大明准教授との共同研究)。以上の成果は原著論文として発表した (Cell, 2013)。また本研究課題の初年度に、E4bp4欠損細胞において培地の酸性化による細胞リズムの位相シフトが観察されないことを見出している。本年度は、培地の酸性化によりE4bp4のmRNAが誘導されることを確認すると共に、E4BP4タンパク質量が上昇すること、その結果としてE4BP4の標的遺伝子Per2の転写レベルが低下することを見出した。さらにE4bp4遺伝子の転写活性化機構を探り、ある転写因子の発現がE4bp4の転写を誘導することを明らかにし、この転写因子の応答にかかわるE4bp4遺伝子の上流配列を絞り込んだ。このようなE4bp4の時計入力経路の解析と並行して、E4BP4からの出力系の理解に向けて解析を展開した。具体的には、野生型マウスおよびE4bp4-KOマウスから一日の様々な時刻に肝臓を単離し、RNAを調製した。これを次世代シーケンサを用いたトランスクリプトーム解析に供し、E4bp4遺伝子の欠損により転写リズムが変化する遺伝子群を網羅的に決定した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2013 2012 2011 Other
All Journal Article (6 results) (of which Peer Reviewed: 4 results) Presentation (33 results) (of which Invited: 5 results) Book (1 results) Remarks (2 results)
Cell
Volume: 152 Issue: 5 Pages: 1106-1118
10.1016/j.cell.2013.01.054
EMBO Rep.
Volume: (印刷中) Issue: 5 Pages: 455-461
10.1038/embor.2012.37
Proteomics
Volume: (in press)
実験医学増刊号『シグナル伝達研究の最前線』
Volume: Vol.30 Pages: 94-98
J.Physiol.(London)
Volume: 589 Pages: 2321-2348
実験医学増刊号『細胞内分解系によるリノベーションの分子機構に迫る』
Volume: Vol.19 Pages: 142-151
http://www.biochem.s.u-tokyo.ac.jp/fukada-lab/research-highlights-j.html
http://www.biochem.s.u-tokyo.ac.jp/fukada-lab