Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
骨組織内骨細胞の選択的破壊モデルマウスの解析により、骨とは接していない胸腺のリンパ球造血ニッチを、骨細胞が液性因子を介さず制御している構図を明らかにした。これは、正常マウスと骨細胞除去マウスの並体接合による血液循環の共有モデルで骨細胞除去マウス側のみの胸腺細胞が激減することで証明された。また、同様の機構で全身の白色脂肪の保持や、脳と協調した肝臓での正常な脂肪蓄積にも骨細胞がかかわっていることも示し、骨組織を頂点とした多臓器間ネットワークの存在が見えてきた。これは、長期臥床患者や宇宙飛行士が急速に骨粗鬆症を発症すると同時にリンパ球の数や機能の低下など免疫異常を呈する機構を一部説明していると考えられる(論文投稿中)。これらの研究は、運動不足の現代人や近未来の宇宙移住などで骨細胞への刺激が減少する状況において、骨を標的とした多臓器機能保持という新たな治療戦略を提示する根拠となると思われる。これらの表現系が神経を介したものであるかどうかについての研究も予定通り行ったが、現在のところ明らかに神経を介しているという直接的な証拠は捉えられていない。しかし、液性因子を介していない可能性が高いことから今後も神経系のメカニズムへの関与を探っていく予定である(領域総括班 池田恭治先生との共同研究)。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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