Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
概日時計は細胞内に存在する約24時間周期の振動体であり、様々な生理活性に概日リズムをもたらす。シアノバクテリアの概日時計はin vitro再構成が可能である。概日時計蛋白質KaiA、KaiB、KaiCとATPを混合することにより、KaiCのリン酸化状態が概日リズムを示す。KaiCは6量体型のP-loop ATPaseであり、自己リン酸化活性と自己脱リン酸化活性を併せ持つ。平成23年度は、KaiCの自己脱リン酸化反応機構の解明を行った。KaiCの自己脱リン酸化は、プロテインホスファターゼのようにリン酸化アミノ酸の加水分解によるのではなく、自己脱リン酸化の逆反応を介して起こっていることを明らかにした。この反応機構からKaiCリン酸化リズムは、自己リン酸化の正逆両反応が繰り返されることによって生じると考えられる。そこで、KaiA、KaiBがいかにして反応の進行方向を制御しているかについて研究を進めた。自己リン酸化の正反応はATPを、逆反応はADPを要求するため、平成24年度はKaiA、KaiBがKaiC結合ヌクレオチドを制御している可能性を検討した。KaiC6量体にはATP及びADPが結合しているが、KaiAはKaiC6量体からのADPの放出と6量体外部からのATPの取り込みを促進することにより、全結合ヌクレオチドに対するATPの割合を上昇させていることを明らかにした。またKaiBはKaiAの効果を阻害しており、KaiA、KaiB共存下ではKaiCのヌクレオチド結合状態は概日リズムを示した。結合ATPの割合はリン酸化型KaiCの蓄積より約4時間早くピークを迎えていた。これらの結果より、KaiAはKaiCに正反応の基質であるATPを供給し、KaiBは逆反応の基質であるADPをKaiC上に保持することで、自己リン酸化反応の進行方向が制御されリン酸化リズムが生じるものと考えられる。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2012 2011
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (6 results)
The Journal of Biological Chemistry
Volume: (印刷中) Issue: 22 Pages: 18030-18035
10.1074/jbc.m112.350660