Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究は,Pループ型ATP加水分解酵素の機能発現機構について,分子シミュレーション等の計算科学的手法を用いて解析することを目的としている.平成24年度には,DNA相同組換えで働くPループ型ATP加水分解酵素であるRad51について,分子構造モデリングと分子動力学シミュレーションを行い,論文として,Biophysical Journal誌に出版することができた.Rad51の原子レベルの立体構造はX線結晶解析により得られているが,モノマー間の界面にはATPは存在せず,電子顕微鏡研究などで得られている活性型の構造とは言えない.そこで,まず,フィラメントの最小単位である2量体について,古細菌の類縁タンパク質であるRadAの結晶構造を参照して分子構造モデリングを行い,全原子分子動力学シミュレーションを遂行した.その結果,ATPのγリン酸部位では,安定な活性型構造を維持するのに,カリウムイオンが必須であり,隣接モノマーのH352, D374と相互作用ネットワークを形成していることを見出した.このようなカリウムイオンの相互作用は,他のPループ型ATP加水分解酵素におけるアルギニンフィンガーと類似の機能を果たしているように示唆された.さらに,もうひとつの活性型構造を維持するメカニズムとして,ATPのアデニン環が,R228と, 隣接モノマーにあるP379に挟まれるように相互作用することも見出した.このように,ATPがモノマー間の「糊」として働いており,活性型構造を安定化していることを明らかにした.また,領域内の液体統計力学解析の専門家と共同研究を行い,溶媒効果,特に水のエントロピー解析を発展させ,他のPループ型ATP加水分解酵素であるF1-ATPaseについて,分子動力学シミュレーションと統計力学解析を基に動作メカニズムを提案した.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2013 2012 2011
All Journal Article (7 results) (of which Peer Reviewed: 7 results) Presentation (8 results) (of which Invited: 1 results)
Biophys. J
Volume: 104 Issue: 7 Pages: 1556-1565
10.1016/j.bpj.2013.02.014
The journal of Physical Chemistry B
Volume: 117 Issue: 12 Pages: 3298-3307
10.1021/jp312499u
Structure
Volume: 20 Issue: 3 Pages: 440-449
10.1016/j.str.2012.01.005
Journal of Chemical Physics
Volume: 137 Issue: 3 Pages: 8-8
10.1063/1.4734298
Journal of Physical Chemistry B
Volume: 116 Issue: 27 Pages: 7776-7786
10.1021/jp301541z
J Biol Chem
Volume: 286 Issue: 50 Pages: 43569-43576
10.1074/jbc.m111.303339
Physical Chemistry Chemical Physics
Volume: 13 Issue: 36 Pages: 16236-16246
10.1039/c1cp21597c