Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
イネ(Oryza sativa)の塩抵抗性に必須である、HKT型輸送体依存の葉内Na+高蓄積回避機構を分子レベルで詳細に解明するための研究を進めた。この機構に主要に関与すると考えられるイネのHKT型輸送体は、OsHKT1;4, OsHKT1;5であり、本研究の標的である。酵母、及びアフリカツメガエル卵母細胞でOsHKT1;4を発現させ、イオン輸送解析を行った結果、OsHKT1;4は、Na+輸送活性が非常に高く、かつK+に対する選択性は極めて乏しい事が判明した。興味深い事に、OsHKT1;4は、K+を除くいくつかの陽イオン種に対しても顕著な輸送活性を示す事が示唆された。また、OsHKT1;4遺伝子発現が減少したイネ株(RNAi株)を作製し、形質転換当代を用いて塩ストレス処理後予備的実験を行った。最も発現の抑制された株においては、野生型と異なるNa+蓄積パターンを示す部位があるという結果が得られた。OsHKT1;5に関しては、OsHKT1;5を特異的に認識する抗体を作製して、免疫染色解析を行った。OsHKT1;5は、過去に既に示されていた根の導管付近以外にも、未報告の組織で発現する事が判明した。OsHKT1;5遺伝子が破壊されたホモ変異株(oshkt1;5植物)に塩ストレスを処理し、イオン蓄積様式を解析した所、oshkt1;5植物は、野生型よりも顕著に葉にNa+を高蓄積させる事が明らかとなった。両OsHKT1遺伝子の機能に障害があるイネ株を準備するために、oshkt1;5植物をもとにしてOsHKT1;4遺伝子発現減少株(RNAi株)を作製した。現在、各種形質転換イネ株のT1種子を取得中であり、今後も詳細な解析を進めていく予定である。以上の成果から、イネの重要な耐塩性機構の詳細が明らかになりつつあり、将来の応用技術開発へ向けて貴重な基礎知見を蓄積した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Rice
Volume: 5 Issue: 1
10.1186/1939-8433-5-11
120007104196
Plant Physiology
Volume: 156 Issue: 3 Pages: 1493-1507
10.1104/pp.110.168047
Volume: (印刷中)