Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
Irr,IRPの標的DNA,RNAへの親和性 IrrやIRPの標的DNA,RNAへの親和性は,そのIrr-DNA,およびIRP-RNA複合体の結晶作成の上で重要であるが,これまではゲルシフトアッセイによる解離定数が見積もられただけで,その定量性は十分ではなかった.今年度は蛍光ラベルした標的DNAおよびRNAを用い,そのIrrやIRPへの結合による蛍光の偏光解消度から解離定数をより正確に見積もることを試み,その結果,それぞれ,220 ± 57 nM,6.85 ± 0.26 nMと決定することができた.さらにこの反応溶液中にヘムを添加することにより,蛍光の偏光解消は観測されず,ヘムの添加によって標的DNAやRNAへの結合が完全に阻害されることが確認できた.IRPへおけるヘム結合ドメインの決定 完全長のIRPでは,発現に昆虫細胞系を用いるほかなく,その限られた精製蛋白質量と蛋白質の構造不安定性から,結晶形成の条件検討は非常に困難であった.そこで,完全長のIRPの結晶化と並行して,そのヘム結合ドメインのみの結晶構造解析を行うことで,ヘム結合の蛋白質構造に与える影響の解明を試みた.まず,IRP1におけるヘム結合部位の同定を目指して,ヘム結合部位と想定されるヘム制御モチーフ中のCys118とCys300の変異体を作成することで検討を行った.その結果,いずれの変異体においても,ヘム制御蛋白質に特徴的なヘム鉄とその軸配位子Cys間の伸縮振動のラマン線が観測され,ヘムはCys118とCys300に配位することが確認できた.さらに,これらのCys残基はそれぞれドメイン1(1-240)とドメイン2(241-367)にあることから,IRP1におけるヘム結合ドメインは,ドメイン1とドメイン2と決定でき,これらの発現系を大量発現・精製が可能な大腸菌で確立させることにより,その結晶化が期待できる.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2013 2012 2011
All Presentation (6 results) (of which Invited: 2 results)