Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
成体脳において傷害反応性にニューロンを産生する神経幹細胞(NSC)ニッチの存在が注目されており、脳再生医療における治療的ポテンシャルが期待されているが、NSCの制御機序には不明の点が多い。最近申請者は、血管内皮Rac1の抑制により内皮由来神経栄養活性が誘導され、神経細胞死を抑制することを示した。NSCニッチにおいても内皮細胞がNSCに近接し、液性因子を介してNSC自己複製能を促進すると報告されており(図1、神経血管ニッチ)、本計画ではその主要な制御分子として内皮細胞Rac1を想定し、検証した。マウス血管内皮とマウス胎児大脳神経幹細胞(NSC)の共培養実験を施行した。高グルコースにより誘導されるNSC細胞死は、Rac1+/-内皮との共培養により著明に抑制された。次に、高グルコース環境下で培養したマウス内皮細胞のconditioned mediaを添加後のNSC細胞死を検討した。Rac1+/+内皮に比較してRac1+/-内皮由来のmedia添加によりNSC細胞死の抑制が認められた。糖尿病に合併する鬱状態は、海馬歯状回におけるNSCの細胞死および細胞増殖抑制と相関することが報告されている。血管内皮特異的Rac1ノックアウトマウスにstreptozocineによるⅠ型糖尿病を誘発し、鬱の程度をスクロース水飲水試験により評価したところ、対照に比べ有意な鬱の抑制が認められた。糖尿病マウスの海馬歯状回における細胞増殖をBrdU標識により検討したところ、血管内皮特異的Rac1ノックアウトマウスにおいて糖尿病による細胞増殖の減弱が部分的に解除されていた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2013 2012
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (5 results)
Biochem Biophys Res Commun.
Volume: 433(1) Issue: 1 Pages: 66-72
10.1016/j.bbrc.2013.02.064