Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
近年、様々な中枢神経疾患に対して神経幹細胞移植の有効性が報告されているが、そのメカニズムの詳細は依然不明な点が多い。特に、移植後の神経幹細胞の分子プロファイルを解析する方法が無いため、移植環境に応じてどの程度幹細胞の性質や分化が変化するのかは全く解析されていない。そこで我々は、移植細胞を選択的にセルソーターで回収しギガシークエンサーによるトランスクリプトーム解析法を確立し、発現遺伝子のプロファイル解析を行なう系を確立した。神経幹細胞 をin vitroで7日間分化させた場合、分化前後のトランスクリプトーム解析では共通発現遺伝子の50%以上は少なくとも2倍以上発現量が変化しており、数百から数千の遺伝子がクラスターを形成して同調的に機能していると考えられ、個別の因子を解析するのみでは分化機構の全容を解明することは困難であると予測された。特に、損傷脊髄に移植して7日後に回収した神経幹細胞のトランスクリプトーム解析を行なった結果は、全体的な転写抑制、細胞外刺激に対する反応性、神経分化が著明に抑制されており、in situでの細胞機能解析と共に、移植医療確立のためには神経幹細胞分化機構のより詳細な解明が重要であると考えられた 。また、移植環境が神経幹細胞分化に与える影響を解析するため、損傷急性期、損傷亜急性期、損傷慢性期に上記神経幹細胞を移植回収しトランスクリプトーム解析を行った結果、慢性期移植に於ける神経幹細胞が最も転写活性が高く、特にニューロンへの分化および神経栄養因子の分泌は他の移植タイミングや正常脊髄へ移植した場合よりも優位であった。しかし、急性期移植や亜急性期移植と異なり、慢性期移植では運動機能改善効果は殆ど確認されなかった。以上の結果は、慢性期脊髄損傷治療に対しては、移植細胞のmodificationよりは、生着環境のmodulationが重要であることを示唆している 。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2013 2012 2011
All Journal Article (14 results) (of which Peer Reviewed: 14 results) Presentation (11 results) (of which Invited: 2 results)
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