Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
大脳皮質には機能・構造が類似した神経細胞からなる層構造があり、リーリンはその形成に必須の巨大分泌タンパク質(分子量430kDa)である。しかし、①発生時期に依存した機能の有無、②細胞外における挙動や寿命制御機構の有無、に関しては、研究手法やツールが限定されていたためほぼ手つかずのまま未解明であった。リーリンのC末端領域(CTR)を欠損したノックインマウスでは胎生期における脳形成は正常だが、生後において神経細胞の樹状突起が異常になり、層構造も破綻することを発見した。このことは、CTRに依存したリーリンの機能は、生後脳の回路網維持に必要であるという新規概念を示唆している。またこの研究の過程で、リーリンはCTR内で分解を受けることを見出した。そしてこの分解を担うプロテアーゼと分解部位を同定し、非分解型のみを認識するモノクローナル抗体も樹立した。その結果、CTR内分解を受けていないリーリンはリーリン産生細胞のごく近傍にのみ存在することがわかった。さらには、CTR内分解を受けていないリーリンだけに結合する膜タンパク質の同定にも成功した。この膜タンパク質はリーリン受容体と複合体を形成しており、リーリンとリーリン受容体の結合に関与していた。以上を総合すると、CTR内分解を受けていないリーリンはリーリン産生細胞近傍(再表層)にのみ存在し、特定の膜タンパク質とリーリン受容体複合体に結合することにより未知のシグナル経路を調整し、これが神経細胞の移動終了と突起形成を調節する可能性が強く示唆された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2013 2012 2011
All Journal Article (8 results) (of which Peer Reviewed: 7 results) Presentation (28 results) Patent(Industrial Property Rights) (2 results) (of which Overseas: 1 results)
Biochem Biophys Res Commun
Volume: 417 Issue: 3 Pages: 1014-1017
10.1016/j.bbrc.2011.12.079
FEBS Lett.
Volume: 586 Issue: 19 Pages: 3349-3353
10.1016/j.febslet.2012.07.017
Neuron
Volume: 76(2) Issue: 2 Pages: 353-369
10.1016/j.neuron.2012.07.020
Mol. Biol. Cell
Volume: 23 Issue: 24 Pages: 4689-4700
10.1091/mbc.e12-09-0673
Biol. Open
Volume: 1 Issue: 12 Pages: 1258-1263
10.1242/bio.20122816
日本薬理学会雑誌
Volume: 139 Pages: 99-102
10030456329
J.Biol.Chem.
Volume: 286 Issue: 40 Pages: 35247-35256
10.1074/jbc.m111.242719
日本精神神経薬理学会雑誌
Volume: 31 Pages: 267-271
10030338287