Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
アフリカツメガエルとネッタイツメガエルはごく近縁の種である。どちらのツメガエルでも変態後に網膜を完全除去しても再生できることを報告者らが発見した。ところが、この2種のカエルでは再生の起源となる組織に大きな違いがあり、ネッタイツメガエルでは、毛様体辺縁部から再生が始まり、色素上皮細胞が分化転換して網膜を再生することはない。そこで、両種の色素上皮細胞に注目し、この2種のツメガエルで何がどのように異なるのかを明らかにすることによって色素上皮細胞の分化転換に必要な細胞と遺伝子のメカニズムを明らかにしようとした。特に、アフリカツメガエルで確立した色素上皮の組織培養法を用いて詳細な解析をおこなった。今回アフリカツメガエルで明らかにしたことは、色素上皮細胞が分化転換するためには、細胞がまず基底膜から遊離、移動し、上皮形成をすることであり、そのためにはまずMMP(Matrix metalloprotease)が発現し、その後RaxやPax6を発現することである。この過程をネッタイツメガエルで調査した。その結果、再生に必要なRax遺伝子やPax6遺伝子はネッタイツメガエルでは発現しないことがわかった。これらの遺伝子発現と細胞接着様式との間には一定の対応がある。すなわち、Raxが発現する細胞はGap結合をもつ。また、Pax6はN-cadherinをもつ細胞で発現が上がり、それが失われると発現レベルが上昇する。ネッタイツメガエルで調べると、色素上皮細胞ではGap結合やN-cadherinをもたないことがわかった。以上のことから、ネッタイツメガエルで色素上皮細胞の分化転換がおこらないのは細胞間の接着や結合状態が失われるためであると予想された。今後、接着分子の遺伝子強制発現により上皮形成を誘導した場合、RaxやPax6が発現するかどうかを調べることにより、細胞間相互作用の問題をより明確にしたい。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Genesis
Volume: ?
Volume: 50(In press) Issue: 8 Pages: 642-650
10.1002/dvg.22024
Brain
Volume: 134(3) Pages: 892-902
http://www.nara-wu.ac.jp/bio/develop/menu.htm