Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
キューバにおいて、木の幹や地上を主に生活場所とする種では、開けた場所に生息し高体温を維持する種(Anolis sagrei, 体温34度)、森林の縁に生息する種(たとえばAnolis homolechis, 体温30-31度)、森林内に生息し低体温を維持する種(Anolis allogus, 体温27-29度)などが共存している。しかし、様々な地域で、どのような種同士が共存しているのか、また、どのような遺伝的変化を伴って温度適応の分化が生じたのかは不明である。本研究では、キューバに生息するアノールをモデルとして体温適応という生理機能や行動形質などが複雑に関連して決まる複合適応形質の進化遺伝基盤の解明を目指し、アノールトカゲの温度センサー遺伝子および温度変化に反応する遺伝子に着目して研究を行った。キューバ産アノールトカゲ3種(A. sagrei、A. homolechis、A. allogus)の温度センサー遺伝子TRPの塩基配列を決定し種間比較を行った。その結果、TRPA1において、活性化温度に影響を与える機能ドメイン内に種間で非同義置換が観察された。また、低温適応種であるA. allogusの肝臓において特異的に、機能ドメイン中に32アミノ酸のインサーションがあることも明らかとなった。キューバにてサンプリングしたアノールトカゲ3種を5日間の温度維持実験を実施し、3組織(皮膚、肝臓、脳)における遺伝子発現量を、次世代シークエンサーを用いて推定した。異なる温度条件間、及び、体温の異なる種間において、各組織の発現量を比較し、有意に発現量差のある遺伝子の探索を行った。その結果、温度変化に対し脳においてはエネルギー生産やミトコンドリアに関する遺伝子が多数検出された。このことは、エネルギー生産が温度適応に関連していることを示唆している。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2013 2012
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results)
Ecosphere
Volume: 7