漆質感認知に寄与する時空間視覚情報特性解析 ―「漆の質感を見る技」の解明―
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative studies of neural mechanisms and advanced information technologies for perception of material and surface qualities |
Project/Area Number |
23135520
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Complex systems
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
大谷 芳夫 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (00192518)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
|
Budget Amount *help |
¥11,050,000 (Direct Cost: ¥8,500,000、Indirect Cost: ¥2,550,000)
Fiscal Year 2012: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
Fiscal Year 2011: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
|
Keywords | 質感認知 / 実験系心理学 / 視覚心理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
熟練者が漆板を前後に回転させながら観察することに着目し、漆板への映り込み画像の動きが質感認知にいかに寄与するかを解明するため、非熟練者を対象とした実験を行った。 艶漆の混合比率を変化させた12種類の漆板の二次元輝度測定を行い、漆板に映り込む光源画像輝度の空間変化率を定量化した。艶を評定するME実験では、被験者の評定値は艶漆の混合比率と非線形な関係を示し、評定値と艶漆の配合比率は比例しないことが明らかとなった。評定値を光学測定で得た輝度の空間変化率の関数としてプロットすると、評定値が大きく3つの群に分かれる傾向が現れた。この傾向は被験者が漆の艶の度合いを、艶が高い・中程度・低いの大まかな3段階で判断していることを示唆するものである。次に艶の再認実験を、漆板をⅰ)前後に回転させながら観察、ⅱ)角度を固定して観察、ⅲ)2つの角度で観察の3条件で行った。再認正答率は、ⅱ)が最も高く、次いでⅲ)で、ⅰ)は最も低かった。この結果は被験者は漆板が固定され、かつ鏡面反射と拡散反射を含んだ光源画像の全体像が映り込む提示角度で観察すると漆の艶を正しく判断できる事を示している。 艶再認時の眼球運動を測定したところ、艶がない漆板の場合は板表面に輻輳が合っており、艶が増す従い輻輳角が小さくなり、艶が高い場合は板表面よりも遠い距離に輻輳を合わせる傾向にあった。この結果は被験者は漆板の表面ではなく、映り込んだ画像に対して輻輳を合わせて注視していることによるものと考えられる。この輻輳の特徴と上述の再認実験の結果から、被験者は艶を判断する際に映り込み画像の静止イメージの鮮明さを手がかりとして用いている事が示唆される。 以上の結果は、熟練者と今回被験者とした非熟練者では、漆の艶を判断する際に用いている視覚的手がかりが異なる事を示唆している。
|
Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Report
(2 results)
Research Products
(5 results)