Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
【研究目的】振動周波数の異なる触覚刺激を用いることにより物体表面のテクスチャの違いを表現し、質感の異なる感覚を生じさせ、触覚的な質感に関わる脳内情報処理の詳細を明らかにすることを目指した。特にヒトの感覚情報処理において高次の情報処理を担っていると考えられている二次体性感覚野の機能的意義について着目し、検討した。【研究成果】右利き健常成人10名を対象として実験を行った。振動周波数(Hz(=1秒間の振動回数))の異なる触覚刺激の提示にはピエゾ型触覚刺激装置を用い、右示指を刺激した。具体的な刺激方法は、①規則的な周波数の触振動刺激(20 Hz)と②不規則な周波数の触振動刺激(12.5-50 Hzで変動)の2種類とし、各刺激を約1.5秒間隔でランダムな順番でそれぞれ100回以上提示した。前者(①)は規則的なパターンのテクスチャをもつ物体の質感を疑似的に表現した刺激であり、後者(②)は不整な表面テクスチャをもつ物体の質感を表現した刺激として用いた。脳活動の測定には、ミリ秒単位での神経活動の計測が可能で、かつ、ミリ単位の精度で活動源の同定が可能な脳磁計を用いた。測定は注意下(刺激①と②を区別して正答ボタンを押す)および非注意下(サイレント動画を提示して刺激から注意を逸らす)の2条件で行った。結果、両側側頭部に分布する緩徐な(~1Hz)誘発成分を認めた。注意下において有意に振幅が増高し(左<右)、規則性の判断に関しても振幅差(規則<不規則)の傾向を認めた。活動源は二次体性感覚野に推定された。この誘発反応は触振動情報の能動的弁別を反映した成分であると考えられ、推定活動源であるSⅡは触覚の質感認知においての重要なの役割を担っていることが今回の研究により示唆された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2012 2011
All Presentation (3 results)