Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
近年、有用なナノマテリアルが数多く開発され、薬物送達システム(DDS)への展開が図られている。このナノDDS医薬は、これまでの素材に無い医薬的価値に優れた画期的機能を有することから、次世代医薬の筆頭として注目されている。一方で近年、ナノマテリアルの革新的機能が、二面性を呈してしまい、予期しにくい未知の毒性(NanoTox)を発現してしまうことが世界的に強く危惧されている。そこで本申請研究では、ナノDDS医薬の主剤・担体として期待されている非晶質ナノシリカ等に関して、『ナノマテリアルの物性情報(一次粒径、形状、表面電荷など)』―『体内・組織内・細胞内の多階層における動態情報』―『安全性情報』の連関情報を実験科学により収集し、ナノマテリアルの物性から、多階層における動態、さらには安全性を高確度に予測し得る”NanoTox予測基盤システム”の確立を図り、最終的に有効かつ安全なナノDDS医薬開発を支援しようとするものである。平成23年度は、ナノシリカの細胞内移行性は、ナノシリカの粒子径・表面電荷などの物性や、血清中蛋白質との相互作用に大きく影響されることを見出した。そこで本年度は、細胞内での挙動に関して解析した。その結果、共焦点レーザー顕微鏡・全反射顕微鏡を用いて細胞内動態を追跡することで、直径70nmの非晶質ナノシリカが、核膜を通過して、核内に移行することを明らかとすると共に、細胞内において、ランダムに動くだけでなく、一定の法則にのっとって動き得る可能性を先駆けて明らかとした。本研究成果は、ナノマテリアルの細胞内動態の観点から毒性発現メカニズムを探求可能とする基盤情報になり、将来的に、”NanoTox予測基盤システム”の確立に繋がり、多階層における生体システム理解に繋がることが期待される。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2013 2012 2011
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (7 results)
Arch Toxicol
Volume: 86 Issue: 8 Pages: 1297-307
10.1007/s00204-012-0823-5