Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
本研究は、チンパンジーの高齢個体が担う社会的役割を雌雄ごとに明らかにすることを目的とし、①高齢メスが娘の子育てを支援するか、②高齢オスが自身の子や孫に対して選択的に狩猟した肉の分配などを行うか、を行動学的に検証する。さらに、高齢個体が包括適応度の上昇に寄与するかを55年分の人口動態データを用いて検証する。本研究は、従来の野生動物研究で論じられてきた「衰退していく存在」としてではなく、「社会と関わり、社会を支える存在」としてのチンパンジー高齢個体の生き様を初めて浮き彫りにしようとするものである。