Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
高齢者が加齢や身体の制限のために歩行が困難となることは、その心身の健康を害する。本研究の目的は、バーチャルリアリティとメタバースを用いて年齢や環境、身体能力を超えて自由自在な歩行を実現し、それによる心身への健康効果を検討し、複数人のコミュニケーションを実現する環境を構築し評価することである。高齢者の歩行について物理的・身体的な機能の回復や増幅を目指すのではなく、そのままの物理的身体を受け入れ、同時にVRとメタバースを用いてもう1つの身体でバーチャル歩行を実現することで自己効力感を増幅する。さらに、メタバースにより高齢者のユーザーが新しいコミュニケーション能力と環境を獲得し、孤独の低減を目指す。
本件研究の目的は、バーチャルリアリティとメタバースを用いて年齢や環境、身体能力を超えて自由自在な歩行を実現し、それによる心身への健康効果を検討し、複数人のコミュニケーションを実現する環境を構築し評価することである。椅子に座ったユーザーに対して、足裏に歩行と同期したリズミカルな振動を与えることで擬似的な歩行感覚を生じさせるシステムをインターネットを介した2名が同時体験できるシステムを開発した。静止観察者への足裏振動提示による歩行感覚誘発のさらなる向上のために、360度の実写映像に対してアバターと影(キャストシャドー)を人工的に合成する手法を開発し、それが歩行感覚やプレゼンスに及ぼす効果を検討した。影は、歩行感覚には効果が弱かったが、プレゼンスを増強することが判明した。また、足裏振動がアバターの歩行と同期していることで、酔いが低減されることも分かった。多様な年齢や身体能力のユーザーが利用することを想定し、座っている状態に加えて、寝ている状態および立っている状態での足裏振動によるバーチャル歩行感覚誘発を比較検討した。その結果、立っている状態がもっとも歩行感覚が強く、次に座っている状態、そして寝ている状態であったが、座っている状態と寝ている状態の間に有意差はなかった。これらの研究成果から、様々な能力や障害のある人が、自由な姿勢で好きな場所を歩いている感覚を提供出来るシステム、さらにそれを複数人が同時利用し、コミュニケーションできるシステムの設計が可能となった。
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
バーチャル歩行システムをインターネットを介して複数人同時利用可能とし、メタバース空間に対応させることができた。
足裏振動を与えると同時に、足の力により進行方向を制御可能なシステムに発展させる。それにより、複数人が自分の意志を持って歩き回り、コミュニケーションが可能となる。
All 2024 2023
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results, Open Access: 2 results) Presentation (5 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results)
Transactions of the Virtual Reality Society of Japan
Volume: 29 Issue: 1 Pages: 39-47
10.18974/tvrsj.29.1_39
i-Perception
Volume: 15 Issue: 1 Pages: 1-22
10.1177/20416695241227857