Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
国民国家において「管理すべき対象」とみなされ、マイノリティの側に置かれがちな移民が、受入社会における人間関係を主体的に作るとはどういうことか。移民自らがいかに関係作りの意味づけを行うかを、ポジショナリティの概念を用いて背後にある権力関係を踏まえつつ考察することで、「主体的」である様がみえてくるのではないか。本研究では、1917年のロシア革命を機にヴォルガ・ウラル地域から日本・満洲・朝鮮半島に渡り、1950~60年代にトルコや米国へと再移住したタタール移民に着目する。語りに基づき、戦前日本の国策に取り込まれ、戦後は脱植民地化や国民像構築の波に翻弄された彼らの受入社会との関係性の解明を目指す。