Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
本研究は、2022年2月以降のウクライナ戦争と黒海封鎖による穀物輸送停止を踏まえ、最も打撃を受けた中東・北アフリカ地域を事例に、安定的食糧供給における地域協力の可能性を考察する。食糧安全保障をめぐっては多様な議論が存在するが、「比較優位に基づいた自由貿易」対「国内生産・自給率の向上」という伝統的議論がある。いずれもグローバル経済下の国家主体の議論であるが、気候変動による影響等、国境を越えた諸課題に直面する現在では国家単位の対策には限界がある。多発してきた食糧危機に対応するには、信頼に基づいた持続可能な地域協力のコネクティビティが不可欠であり、本研究はこうした政策提言に資する基礎研究を目指す。