Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
イスラーム諸国は、イスラームという宗教そのものを人権侵害と結びつける言説を退けることによって対外的な信頼構築を図る必要性に迫られてきた。そのような言説は、イスラーム世界全体への信頼を損ない、人権侵害を理由とした経済的・軍事的介入を招くリスクにもなりうるからである。こうした言説を否定する際に、世俗主義的な立場から宗教にもとづく暴力を否定するのではなくあくまでもイスラームに基づき「人権」とは何かを再解釈する営みが存在し、その主体はウラマー(イスラーム学者たち)である。本研究は彼らの国際的ネットワークの実態を解明し、イスラーム諸国内外の信頼醸成と合意形成にどのように寄与しうるかを考究するものである。