動的エキシトンを利用した青色発光の光アップコンバージョン法の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Dynamic Exciton: Emerging Science and Innovation |
Project/Area Number |
23H03978
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (II)
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Research Institution | Institute of Science Tokyo |
Principal Investigator |
伊澤 誠一郎 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (60779809)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥7,800,000 (Direct Cost: ¥6,000,000、Indirect Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
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Keywords | 動的エキシトン / 光アップコンバージョン / 青色発光 / 青色発光体 |
Outline of Research at the Start |
光アップコンバージョン(光UC)は長波長の光を短波長の光に変換する技術である。有機半導体界面での動的エキシトン、つまり界面での電荷移動(CT)状態のスピン反転を利用すると、従来のように重原子を用いなくても光UCが起こせる。その中心原理である動的エキシトンのスピン反転メカニズムについて詳細に明らかにする。さらにこの動的エキシトンを利用した光UCの波長範囲を拡大させ、低エネルギー光励起で、特に高エネルギーの青色発光を実現できる光UC系の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
光アップコンバージョン(光UC)は長波長の光を短波長の光に変換する技術である。有機半導体界面での動的エキシトン、つまり界面での電荷移動(CT)状態のスピン反転を利用すると、従来のように重原子を用いなくても光UCが起こせる。その中心原理である動的エキシトンのスピン反転メカニズムについて詳細を明らかにする。さらにこの動的エキシトンを利用した光UCの波長範囲を拡大させ、低エネルギー光励起で、高エネルギーの青色発光を実現できる光UC系の開発を目指す。 まず領域内共同研究で神戸大学の小堀教授とともに過渡電子スピン共鳴(TR-EPR)測定を行った。その結果、三重項―三重項消滅が起こる発光体層において、三重項対の一重項―三重項―五重項間のスピン反転が起こっていることが観測された。三重項―三重項消滅は、二つの三重項から一つの高エネルギーの一重項を生成する励起子変換過程であるが、スピン許容な一重項状態の三重項対のみ三重項―三重項消滅に寄与していると考えられてきた。その場合、一重項の三重項対の統計的な生成割合である11%しか、励起子変換過程に寄与できないことになる。今回の三重項対のスピン反転が観測されたことは、それ以上の三重項対が励起子変換に寄与できることを証明したこととなり、高効率なUC発光を得ることができることを証明した。 また新たな波長域の変換として、緑色の光励起で、青色の光UC発光を実現した。これまで報告してきた電流励起での青色UC発光の低電圧有機EL素子で利用していた発光分子の組み合わせに対して、長波長の光吸収能を付与する目的で、チオフェン環を連結した分子をデザインし、合成した。その結果、光吸収波長領域が長波長化し、光歴での青色UC発光が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
領域会議や個別のZoomディスカッション等を利用することで、領域内メンバーとの綿密な打ち合わせ、そしてスムーズな意見交換に基づいた共同研究を実施できている。その結果、過渡電子スピン共鳴測定により三重項―三重項消滅消滅過程における三重項対の一重項―三重項―五重項間のスピン反転という励起子変換に関する重要な知見を得ることができた。この領域内共同研究の成果は既に学術誌で発表済みであり、共同でプレスリリースを行った。また青色の光アップコンバージョンに関しては、新たな分子をデザイン、合成することで実現できた。今後も領域内での相乗効果を発揮することで、さらなる研究の進展が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の光励起での青色発光の系においても、領域内共同研究で過渡電子スピン共鳴測定を行うことで、そのスピン反転メカニズムを解明する。青色発光の系においては様々な分子構造の三重項―三重項消滅材料が報告されている。発光体の分子構造を変化させることで、その分子構造、および固体中での凝集状態など、分子固有の性質が三重項―三重項消滅過程に与える影響を明らかにできると考えられる。 また光励起の青色発光の系に関してはさらなる効率の向上に向けて、発光ドーパントの添加、インターレイヤーの挿入、交互積層構造の導入などを行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)