Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
宇宙での分子進化に宇宙線が果たす役割のうち、重イオンの効果については検証が十分ではない。特に、MeVオーダーの運動エネルギーをもつ重イオンは高LET(線エネルギー付与)放射線とされ、標的分子に膨大なエネルギーを付与する。これに伴い、陽子や電子、X線とは異なる多様でユニークな分子反応を引き起こすことが考えられるが、複雑な反応であるため未だにその詳細はブラックボックスと言える。本研究では、気相および凝縮相表面の有機分子にMeV重イオンを衝突させ、生成される反応生成物イオンの分析を行う。特に申請者が最近見いだした新奇な負イオン生成過程に着目して、星間化学におけるMeV重イオンの役割を検証する。