Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
冷たいダークマターモデルと、自己相互作用するモデルを採用した大規模な高分解能宇宙論的構造形成シミュレーションを用いて、銀河ハローに存在する低輝度矮小楕円体銀河スケールサブハローの内部構造、存在量、空間分布、運動を定量化する。そして観測と詳細な比較を行い、ダークマターモデルをより強く制限する。その過程で、超高分解能シミュレーションデータからハローとサブハローを効率的に抽出するソフトウェアを開発する。
低輝度矮小楕円体銀河の存在量や内部構造はダークマターモデルに依存する。近未来の分光観測によって、こうした天体の精密なデータがもたらされると期待されている。本研究では観測と詳細な比較を行うための理論テンプレートを作成し、ダークマターモデルを制限することを目的としている。2023年度は大規模宇宙論的シミュレーションデータからハローとサブハローを効率的に抽出するソフトウェアの開発を進めた。広く使われている公開ソフトウェアは、数千計算ノード規模以上の環境では効率が良くなく、通信の実装方法に起因して環境によっては動作しないという問題もあった。我々は当該分野でもっとも広く用いられている公開コード、 Rockstar(Behroozi+2013) を採用し、ソケットライブラリで実装されていた通信部分を全てMPI通信に変更した。さらに、OpenMPを用いたハイブリッド並列も実装した。その結果、富岳スーパーコンピュータの1万ノード以上の環境でハロー検出を実行できるようになった。
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
2023年度に進める予定であったハロー検出ソフトウェアの大規模並列化が一段落し、富岳での大規模シミュレーションの準備が整った。
開発したハロー検出コードを公開する。そして、大規模な高分解能宇宙論的構造形成シミュレーションを多数行う。冷たいダークマターモデルと自己作用するダークマターモデルを採用し、後者では衝突断面積などの物理パラメータを変更した複数モデルのシミュレーションを行う。開発したハロー検出ソフトウェアを用いて、銀河ハローにおける低輝度矮小楕円体銀河スケールのサブハローの内部構造、存在量、空間分布、運動を定量化する。
All 2024 2023
All Presentation (7 results) (of which Int'l Joint Research: 4 results)