Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
本研究では、行動状態における大脳皮質の機能ネットワークダイナミクスを可視化することにより、神経回路網が作り出す脳の揺らぎを定量化する。そして、ホログラフィック顕微鏡による光操作によって皮質ネットワーク活動を制御することにより、脳の揺らぎのもつ心理的・行動学的な特徴を明らかにする。
本研究では、行動状態における大脳皮質の機能ネットワークダイナミクスを可視化することにより、神経回路網が作り出す脳の揺らぎを定量化する。そして、ホログラフィック顕微鏡による光操作によって皮質ネットワーク活動を制御することにより、脳の揺らぎのもつ心理的・行動学的な特徴を明らかにしていく。これまでの予備実験では、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を使用した空間パターンイルミネーターを用いて光刺激を行い、大脳皮質の神経活動を光遺伝学によって活性化したときのマウスの行動変容を検証した。Thy1-ChR2トランスジェニックマウス単体を用いた実験では、刺激区画依存的に歩行動作が現れた。光刺激実験と同時に大脳皮質カルシウムイメージング計測を行う実験ではThy1-ChR2トランスジェニックマウスとEmx1-cre::CaMKIIa-tTA::TITL-R-CaMP1.07-Dトランスジェニックマウスを掛け合わせたマウス系統を使用した。そして大脳皮質機能領野の神経集団活動を時系列に解析することで、光刺激後の行動変容出現時の大脳皮質の機能ネットワークダイナミクスを秒単位の時間スケールで可視化した。今後、パターン照射の組み合わせを変えることで光刺激条件を増やすことで、行動変容と皮質活動変化の関係性を調べていく。さらに、ホログラフィック顕微鏡を導入し、ホログラフィック光刺激による多点ネットワーク刺激を行うことで、大脳皮質ネットワークの行動学的特性を調べていく。
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
実験系構築のため、背側大脳皮質を等間隔に区画化し、各区画に対してDMDを使用した空間パターンイルミネーターを用いて光刺激実験を行った。光刺激によって神経活動を活性化したときのマウスの行動変容を調べ、皮質領域特異的に歩行動作が変化することを確認した。光刺激操作と同時に大脳皮質のカルシウムイメージングを行い、光刺激効果が大脳皮質ネットワークにどのように影響を及ぼすかを検証した。また、大脳皮質のカルシウムイメージング画像に基づく行動デコーディングを行い、論文発表した。
パターン照射の組み合わせを変えることで光刺激条件を増やすことで、行動変容と皮質活動変化の関係性を調べていく。また、ホログラフィック顕微鏡を導入し、ホログラフィック光刺激による多点ネットワーク刺激を行うことで、大脳皮質ネットワークの行動学的特性を調べていく。
All 2024
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results, Open Access: 1 results)
PLOS Computational Biology
Volume: 20 Issue: 3 Pages: e1011074-e1011074
10.1371/journal.pcbi.1011074