Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
生後発達期は種々のストレスに脆弱である「臨界期」として知られている。生後発達期に育児放棄・虐待・社会的孤立・いじめなどのストレスを受けた影響は成体に至るまで長期に維持され、社会性の低下などの精神症状の発症リスクとなりうる。しかし、ストレスによりどのような神経回路の変化が見られ、成長後の行動異常につながるのかについては不明な点が多く残されている。また、どのような分子メカニズムによりストレスの記憶が長期に維持されるのかもほとんど不明である。本研究では、ストレス記憶にクロマチン状態の変化が関係する可能性を考え、発達期マウスストレスモデルを用いて臨界期ストレス応答を担う回路、分子基盤の解明を目指す。
生後発達期は種々のストレスに脆弱である「臨界期」として知られている。しかし、生後発達期に受けたストレスによりどのような神経回路の変化が見られ、成長後の行動変化につながるのかについては不明な点が多く残されている。また、どのような分子メカニズムによりストレスの記憶が長期に維持されるのかもほとんど不明である。本研究では発達期マウスストレスモデルを用い、ストレスに応答して変化する分子および回路を明らかにすることを目指して研究を行なった。細胞内で長期的に変化が維持される分子実体として、エピジェネティクス制御に注目した。その結果、特定のヒストン修飾や修飾酵素の量がストレスによって変化する可能性を示唆する結果を得た。
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
発達期マウスストレスモデルにおいて、特定のヒストン修飾や修飾酵素の量が変化する可能性を示唆する結果を得た。また、この変化は脳領域特異的に引き起こされるという予備的な結果も得ており、さらなる検証を行いたい。
前年度に引き続き、ストレスによりいかなるエピジェネティクス状態の変化が見られるのかについて、脳領域を絞って調べる。また、特定のエピジェネティクス状態の変化は、臨界期後のストレス負荷では引き起こされないのかを調べることで、ストレス応答の臨界期を説明しうる分子実態の一旦を明らかにしたい。
All 2023
All Journal Article (1 results)
細胞
Volume: 55 Pages: 828-831