Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
ヒトは幼児期に周囲の会話を聞いて、その言語固有の特徴音を識別する能力を発達させる。この発達が起こる「臨界期」では、受けた経験に依存して神経回路機能が調節される。この過程で、感覚情報を処理する神経回路への興奮性入力と抑制性入力のバランス(E:I balance)が重要とされているが、その調節機構の全体像は不明である。これまでに私たちは、臨界期研究の新規モデル系として「ショウジョウバエの歌識別学習パラダイム」を確立した。そこで本提案では、ハエの歌識別学習の成立機構の解明に、E:I balanceに着目して挑む。さらにその成果を、脊椎動物とも共通する分子・神経機構の理解につなげる。