Elucidation of neuro-inflammation-vascular interactions during critical periods of resilience
Publicly Offered Research
Project Area | Inducing lifelong plasticity (iPlasticity) by brain rejuvenation: elucidation and manipulation of critical period mechanisms |
Project/Area Number |
23H04234
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (III)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
古屋敷 智之 神戸大学, 医学研究科, 教授 (20362478)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥12,220,000 (Direct Cost: ¥9,400,000、Indirect Cost: ¥2,820,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
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Keywords | レジリエンス / ストレス / 神経細胞 / ミクログリア / 血管 |
Outline of Research at the Start |
過酷な環境や侵襲によるストレスは一時的に抵抗性(レジリエンス)を高めるが、ストレスの遷延は行動変容を誘導し精神・神経疾患のリスクを高める。我々はマウスの社会ストレスモデルを用い、急性ストレスが前頭前皮質のドパミン系を介して樹状突起増生とともにレジリエンスを増強する一方、慢性ストレスがミクログリアを活性化して前頭前皮質のドパミン系抑制や樹状突起退縮、行動変容を促すことを示した。レジリエンス増強に伴い脳血管由来の生理活性脂質が増加することも示唆した。本研究ではマウスの社会ストレスモデルを用い、ストレスによるレジリエンス増強の臨界期を担う神経・炎症・血管相互作用の実態と機序を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
過酷な環境や侵襲によるストレスは抵抗性(レジリエンス)を増強するが、この作用にはストレス暴露から一定期間に限られた「臨界期」が存在し、ストレスの遷延は認知情動変容を誘導して精神・神経疾患のリスクを高める。我々はマウスの社会ストレスモデルを用い、急性ストレスが内側前頭前皮質のドパミン系を介して樹状突起増生とともにレジリエンスを増強する一方、慢性ストレスがミクログリアを活性化して内側前頭前皮質のドパミン系抑制や樹状突起退縮、認知情動変容を促すことを示した。さらに、レジリエンス増強に伴い脳血管由来の生理活性脂質が増加することも示唆した。本研究ではマウスの社会ストレスモデルに一細胞・細胞種選択的オミクス解析、薬理・分子遺伝学的操作などを用い、ストレスによるレジリエンス増強の臨界期を決定する神経・炎症・血管相互作用の実態と機序を解明する。 本年度は、急性ストレス後や慢性ストレス後のストレス感受性群・抵抗性群のマウス個体からストレス関連脳領域を摘出してRNA-seq解析を行い、ストレスによるミクログリア応答に関わる各分子経路が特異的な脳機能に関与する可能性を示した。各分子経路が神経細胞の活動性に与える影響を電気生理学的に検討した。さらに慢性社会ストレスによる白血球動員を阻害する化合物が血液脳関門破綻、認知情動変容も阻害することを発見した。レジリエンス関連脂質代謝物の産生酵素の欠損マウスの行動異常と免疫系の関与を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、ストレスによるレジリエンス増強の臨界期を決定する神経・炎症・血管相互作用の実態と機序を解明するものである。本年度はRNA-seq解析を行い、ストレスによるミクログリア応答に関わる各分子経路が特異的な脳機能に関与する可能性を示すとともに、神経細胞の活動性に与える影響を電気生理学的に検討した。慢性ストレスによる白血球動員が血液脳関門破綻や認知情動変容と関連することも見出している。さらにレジリエンス関連脂質代謝物が免疫系を介して行動を制御することを見出している。以上の研究成果は、いずれもストレスのレジリエンスに関わる神経・炎症・血管相互作用の実態と機序の解明に資するものであり、本研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ストレスによるミクログリア応答に関わる各分子経路が神経細胞の活動性に与える影響について電気生理学的な検討を継続する。急性・慢性ストレス後のマウス脳の全細胞の一細胞RNA-seq解析を行い、レジリエンス増強に伴い変化する細胞種や遺伝子発現を同定する。細胞間の相互作用を担う分子機序をインシリコで推定する。当該細胞種・遺伝子発現を操作し、ストレスによるレジリエンス増強への影響を慢性社会ストレスによる認知情動変容を指標に調べるとともに、多様な脳細胞の遺伝子発現や神経細胞の機能・形態変化への影響も調べる。さらにChIP-seq・ATAC-seq解析などエピゲノム解析を行い、当該遺伝子発現変化を担う転写因子を推定する。その分子操作を細胞種選択的に行う準備を行う。レジリエンス増強との関与が示唆されている生理活性脂質の産生酵素の欠損マウスの情動行動異常の脳基盤を全脳イメージングや一細胞オミクス解析等で調べる。
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Report
(1 results)
Research Products
(28 results)