Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
ペリニューロナルネット(PNN)は,パルブアルブミン(PV)陽性ニューロンなどに最も顕著に存在する特殊な細胞外マトリックス(ECM)構造である。PNNは生後発達し、臨界期の終了と共に完成することから、経験依存的神経可塑性を制御すると考えられている。我々は、PNNの形成に重要なオーガナイザー分子としてリンクプロテイン(HAPLN4)を報告し、そのノックアウトマウス(Hapln4-KO)の台形体内側核(MNTB)でシナプス刈込み異常を発見している。本研究では、MNTBでのPNN形成に依存したシナプス刈込みの分子メカニズム解明のため、我々の観察結果に基づく仮説検証と1細胞RNAシークエンス等を行う。
我々は、PNNの形成に重要なオーガナイザー分子としてリンクプロテイン(HAPLN4)を報告し、そのノックアウトマウス(Hapln4-KO)の台形体内側核(MNTB)でシナプス刈込み異常を発見している。そのメカニズム解明のため、野生型とHapln4-KOマウスMNTBのトランスクリプトミックスによる比較をおこなった。AMED-BINDS(早稲田大学)の支援を得て、刈込み初期に相当するP7と刈込み後期にあたるP14のMNTBBの微小組織を採取し、まずバルクRNA-seqを行った。現在データ解析中である。また、野生型とHapln4-KOマウスでパッチクランプ記録後に蛍光物質(Alexa)をインジェクションし、共焦点顕微鏡で3Dイメージングすることで電気生理学の結果とシナプス形態計測を比較する実験を増やし、刈込み異常の現象をより精密に比較することを行っている。さらに、HAPLN4タンパクを発現(過剰発現あるいは阻害)させて、ペリニューロナルネット形成を操作できるAAVウイルスを設計中である。
3: Progress in research has been slightly delayed.
MNTBのバルクRNA-シークエンスとその解析に予定より時間がかかった。
単年度を残すのみのため、現在行っている実験を早急に進め、刈込み異常のメカニズムの一端でも明らかにしたい。また、領域内での共同研究も進めていきたい。
All 2023
All Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results)