Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
空間的に非対称な神経接続は感覚情報処理を支える重要な回路構造である。本研究では、先天性眼振の原因遺伝子であるFrmd7の分子機能とアセチルコリン依存性自発発火の機能協調が網膜の方向選択性回路再編成に重要であるとの仮説を検証する。この目的のために、摘出網膜からのカルシウムイメージングや電気生理記録、時期特異的タンパク質分解法、ウイルスベクターによる遺伝子導入、マウス遺伝学などの多分野にまたがる手法を組み合わせる。これらの研究により、接続の非対称性が中枢神経系に創出される臨界期を特定することを狙う。また、本研究で得られた知見は先天性眼振の発症機構のより深い理解に貢献することが期待される。
空間的に非対称な神経接続は感覚情報処理を支える重要な回路構造である。網膜において視覚的な動きの方向を検知する方向選択性細胞の重要な回路基盤は、スターバースト細胞からの空間的非対称な抑制性入力である。研究代表者は以前、生後2週のマウス網膜においてスターバースト細胞から方向選択性細胞への接続が対称から非対称へと再編成されることで方向選択性回路が完成すること、先天性眼振の原因遺伝子であるFrmd7の変異マウスではこの再編成が起こらず水平方向の方向選択性が発達しないこと、を明らかにした。また、最近になって新生仔期網膜においてアセチルコリン依存性の自発発火の波を仲介するbeta2-nAChRの変異マウスにおいても水平方向の方向選択性が発達しないことが示された。本研究では、Frmd7の分子機能とアセチルコリン依存性自発発火の機能協調が非対称回路再編成に重要であるとの仮説を検証する研究を行った。この目的のために、摘出網膜からのカルシウムイメージングや電気生理記録、時期特異的タンパク質分解法、ウイルスベクターによる遺伝子導入、マウス遺伝学などの多分野にまたがる手法を組み合わせた。これらの研究により、接続の非対称性が中枢神経系に創出される臨界期の特定及びその基盤となる分子細胞機構の基本原理を明らかにすることを狙う。また、本研究で得られた知見は先天性眼振の発症機構のより深い理解に貢献することが期待される。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Neuroscience Research
Volume: S0168~0102 Pages: 00108-6
10.1016/j.neures.2023.06.003
https://yoneharalab.org/