Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
我々のゲノムに生じる異常は疾患を発生させる。広大なゲノムの中で異常が生じやすい部分、つまり脆弱部位が存在することは知られていたが、核内での位置空間情報がゲノム脆弱性に与える影響は不明である。これは、過去の研究において1次元ゲノム配列へのマッピング情報だけの解析にとどまり、位置空間情報が欠落していたことが原因と考えられる。従って当研究では、核内での位置空間情報とDNA損傷を同時にマッピングする手法の開発を目指し、核内位置空間によって変化するゲノム脆弱性の解析を通してメゾスケールのゲノム構造とゲノム脆弱性の関係性の解明を目指す。
我々のゲノムに生じる異常は疾患を発生させる。広大なゲノムの中で異常が生じやすい部分、つまり脆弱な部位というものが存在することが歴史的に示されてきた。これらの解析によって得られたゲノム脆弱部位のシークエンスの特徴などから、なぜその部位が脆弱になるのか、どのようにDNA損傷が誘導されるのかという解析がなされてきたが、臨床的に見られる多様なDNA変異部位を説明するには程遠い。その原因として、核内での位置空間情報がゲノム脆弱性に影響を与えている可能性が考えられるが、過去の研究では1次元ゲノム配列へのマッピング情報だけを解析しており、位置空間情報が欠落していたことによってその可能性は十分に検討されてこなかった。従って当研究では、核内での位置空間情報とDNA損傷を同時にマッピングする手法の開発を目指し、核内位置空間によって変化するゲノム脆弱性の解析を行う手法の確立を目的とする。今年度は、核内位置空間の中でも最も明確に定義できる例として核小体をとり、制限酵素AsiSIで100個程度の部位特異的DNA二重鎖切断を誘導できるU2OS細胞を用いることで、まずは免疫染色ベースの解析系の開発を試みた。核小体のマーカーとして知られるタンパク質と、DNA二重鎖切断周辺に局在することが知られるγH2AXを用いて、Proximity Ligation Assayを行って空間位置との関連を免疫染色において確かめたところ、これまでの研究結果に基づいて期待される結果が得られた。
3: Progress in research has been slightly delayed.
Proximity Ligation Assayの抗体に関する条件検討に時間がかかったため。
来年度は空間ラベリングにチラミドシグナル増幅を用い、DNA二重鎖切断ラベリングにEND-seqの技術を使用することで、技術開発課題の解決を目指す。
All 2023 Other
All Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 1 results, Open Access: 1 results) Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Invited: 4 results) Remarks (2 results)
Nature Communications
Volume: 14 Issue: 1 Pages: 4991-4991
10.1038/s41467-023-40578-2
https://www.rbc.kyoto-u.ac.jp/genome_stress/research/
https://www.lif.kyoto-u.ac.jp/j/research/lab/6628/