Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
生体組織の形態形成の問題では,建築初期の簡単な形状だけでなく,建築後の複雑な形状が分かっていることが多い.本研究課題では,現在の形状(After)から過去の形状(Before)を予測する計算技術を開発する.これを基礎に,からだ工務店の様々な形態形成の問題を数値的に予測し,検証し,工学的に応用するための computer-aided-engineering(CAE)の手法を構築する.
本研究課題では,二つの研究課題「螺旋形状の血管はどのようにして現れるか?」,「中腸ループの突出,回転,整復はどのようにして生じるのか?」を題材とし,これまでに開発してきた生体組織の成長理論とアイソジオメトリック解析に基づく流体構造連成解析の計算手法を応用して,生体組織の建築過程の順再生と逆再生を可能にし,からだ建築のためのCAEの手法を構築することを目的としている.2023年度は,第一に,これまで開発してきた計算手法を応用し,血管の成長を記述する計算モデルを開発した.これを用いて血管の成長過程のパラメトリック解析を実施し,血管の曲げ剛性,周囲環境の粘性,血管の成長速度の比によって,様々な血管形状が得られることが分かった.第二に,中腸の成長過程を記述する計算モデルを開発した.中腸ループの変形モードの変化(突出,回転,整復)は,中腸と腸間膜の剛性および成長速度の時間変化によることを示唆する計算結果が得られた.第三に,学術変革領域内の共同研究を新たに開始した.また,これらの成果の一部を流体構造連成解析の専門誌に発表した.
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
二つの研究課題それぞれに対する計算モデルを開発し,着目すべきパラメータも絞れてきているため.
1.血管の曲げ剛性,周囲環境の粘性,血管の成長速度の比によって,様々な血管形状が得られることが分かってきており,引き続きパラメトリック解析を進め,このメカニズムを明らかにする.2.中腸ループの変形モードの変化(突出,回転,整復)は,中腸と腸間膜の剛性および成長速度の時間変化によることを示唆する計算結果が得られており,パラメトリック解析によって包括的な理解を試みる.3.からだ工務店の様々な形態形成の問題に応用するための手法を構築する.
All 2024 2023
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Invited: 1 results)
Journal of Fluids and Structures
Volume: 125 Pages: 104081-104081
10.1016/j.jfluidstructs.2024.104081
Volume: 124 Pages: 104022-104022
10.1016/j.jfluidstructs.2023.104022