Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
美しいものをじっと観察することを「息を呑んで見入る」と表現するように、私たちは呼吸を操作することで無意識に微細な深奥質感を認識しているのかもしれない。前回の公募研究の期間に、ヒトとマカクザルを対象として実験を行い、どちらの種でも共通して感覚認知が呼吸の位相によって揺らぐように変化することを明らかにした。本研究課題では、この基盤となる脳メカニズムの解明に挑戦する。これまで呼吸と感覚認知の関係を調べた動物実験は存在せず、そのメカニズムを神経回路レベルで理解しようとする本研究は極めて独創的であり、一連の成果によって呼吸という新しい概念を深奥質報処理のアルゴリズムに付加することができる。