Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
近年、機械学習等の情報科学手法が様々な学術分野に波及効果を及ぼしている。量子ハードウェア物理分野においても従来にない展開が期待され、本研究では機械学習による半導体量子ハードウェア最適化と応用の研究を行う。量子ハードウェアの状態推定、最適化の過程を機械学習により自動化する手法等を開発、改良し、また得られた技術を活用して最適化の過程を解析することにより、逆に量子ハードウェアについての物理解明等に関する研究を行う。
機械学習やその他の情報科学の手法は、近年多くの学術分野に影響を及ぼしている。量子ハードウェア物理分野でも、これらの技術を用いることで従来にない新しい進展が期待されている。本研究では機械学習による半導体量子ハードウェア最適化と応用の研究を推進し、量子ハードウェアの状態推定、制御の自動化や、これを活用した量子ハードウェア、材料の物理解明等の研究を行っている。本年度は特に、機械学習を用いた半導体量子ハードウェアの状態推定手法の開発と改良を中心に研究を行った。半導体量子ハードウェアとして、電子を微小領域に閉じ込めた半導体量子ドットを用いて、その内部の電子の量子状態を活用する量子ハードウェアがある。これを用いて量子情報処理に向けた量子ビットシステム等を構成する際には、内部の電子状態の識別と制御が重要となる。従来、このプロセスは人間が行ってきたが、我々は畳み込みニューラルネットワークを用いた半導体量子ドットの電荷状態の自動推定を研究した。シミュレーションデータおよび実験データの双方について、その動作検証と解析を行った。さらに、Grad-CAMという可視化技術を用いて、そのプロセスを解析して従来の人間による判断と比較し、その結果を基に電荷状態推定器の改良を行った。またこのような機械学習手法と融合性の高いハードウェア制御技術についても研究を実施した。これらの成果は量子ハードウェア物理分野における情報科学手法の活用を進めるものであり、将来の大規模半導体量子ハードウェアの制御等に向けて役立つと期待される。
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
機械学習を用いた半導体量子ハードウェアの状態推定、制御の開発と改良等が進んでいるため。また関連技術についても研究が進展しているため。
引き続き、機械学習等の情報科学手法を用いた半導体量子ハードウェアの状態推定、制御手法の開発や改良を進める。また得られた手法、技術を活用して測定を行うことにより、半導体量子ハードウェア、材料の物理解明を進める。
All 2024 2023
All Journal Article (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 2 results, Open Access: 1 results) Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Invited: 2 results)
APL Machine Learning
Volume: 2 Issue: 2 Pages: 026110-026110
10.1063/5.0193621
Applied Physics Letters
Volume: 123 Issue: 21 Pages: 213502-213502
10.1063/5.0167212