Applying machine learning to event selections in relativistic heavy-ion collisions
Publicly Offered Research
Project Area | Foundation of "Machine Learning Physics" --- Revolutionary Transformation of Fundamental Physics by A New Field Integrating Machine Learning and Physics |
Project/Area Number |
23H04507
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (II)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北澤 正清 京都大学, 基礎物理学研究所, 講師 (10452418)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | 重イオン衝突実験 / 機械学習 / 高密度核物質 / 事象選択 / J-PARC-HI / 衝突事象毎ゆらぎ / クォーク物質 |
Outline of Research at the Start |
ニューラルネットワークなどの機械学習の技術を活用しながら、高エネルギー重イオン衝突実験における衝突事象の最高到達密度による事象選択を行う方法論を確立することを目指す。当初は、ハドロンカスケード模型で得られるデータの標準的な教師付き学習を用いた事象選択から研究を始め、この研究で得られる知見をヒントとしながらより高度な解析へと段階的に研究を進め、最終的には模型に依存せずに事象選択を行うことを目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高エネルギー重イオン衝突実験における衝突事象ごとの最高到達密度の推定に機械学習の手法を適用し、最高到達密度による事象選択を行う方法論を確立することを目指している。超高密度物質の探索は重イオン衝突実験分野の重要研究課題であり、この課題を目的とした複数の次世代実験が近未来に稼働することが予定される。事象選択手法の確立により、これらの実験で得られる情報の到達密度による分類を通した格段の精密化に貢献することができる。 本年度は、高エネルギー重イオン衝突実験の時空発展を記述する動的模型であるハドロンカスケード模型JAMを使った教師付き機械学習を行うためのデータ収集をするための研究に取り組んだ。当初の計画では、教師データとして衝突中心点における最高到達密度を使う予定だったが、実際に研究を始めたところ、この指標が教師データとして物理的に適切でない可能性が浮上した。実際、JAMのデータを詳しく調べてみると衝突中心点での密度が高くても、周辺では逆に密度が低いことが高頻度で起こることが分かった。 そこで、機械学習における教師データとなる最高密度の適切な指標を調べる研究に取り組んだ。この目的のために、JAMにおける高密度物質の時間的・空間的構造を記述する指標として、一定の密度を超える体積領域の時間発展や、それを時間積分した量などを定義し、それらの性質を調べた。これにより、指標となる量に関する目安が得られたことに加え、高密度物質を生成するには従来考えられているよりも低エネルギーの衝突事象が適している可能性が発見されるなど、大変興味深い成果が副産物として得られた。現在、これらの研究成果を原著論文として発表するべく準備を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、高エネルギー重イオン衝突実験の時空発展を記述する動的模型であるハドロンカスケード模型JAMを使った教師付き機械学習を行うためのデータ収集をするための研究に取り組んだ。この研究により、機械学習の教師データとして使うべき物理量の選択が、研究を始めた当初想定していたほど単純ではなく、それ自体が物理的に非自明で考察に値する研究課題であることが分かった。そこで、機械学習を始める前の前段階の研究としてJAMにおける高密度物質の時間的・空間的構造を調べる研究を行い、興味深い研究成果を挙げることができた。より具体的には、一定の密度を超える体積領域の時間発展や、それを時間積分した量などを新たに定義することで、生成される高密度物質の性質をより定量的かつ具体的に調べることが可能となった。また、高密度物質を生成するには従来考えられているよりも低エネルギーの衝突事象が適していることが分かった。また、これらの指標の衝突事象毎ゆらぎの大きさについても定量的に見積もることに成功した。これらの成果は、本研究の最終目標である機械学習による事象選択の研究からすると前段階の研究だが、この段階で大変興味深い成果が副産物として得られたことは特筆に値する。また、最終的な目標を見据えた際にも、研究の物理的意味を押さえることができ、また教師データが収集できたという点でに着実な進展となった。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は、前年度に得られた研究成果を基盤として、本研究の最終目標である機械学習による事象選択の研究へと研究を進めていきたい。これまでの研究によって、一定の密度を超えた体積や、それを時間で積分した量が高密度状態の達成度合いを測る良い指標となることが分かった。この研究を迅速に終了させ、論文として発表することを当面の第一目標として研究を行う。 これと並行して、当初の目標である機械学習を用いた事象選択へと研究を進める。この段階では、JAMを用いて生成した終状態の粒子分布を学習データとし、上の研究で生成した教師データを学習させる研究を行う。この際に、終状態の粒子分布をそのままニューラルネットワークに学習させるのではなく、粒子種や運動量、角度分布などに分類して学習しやすい形式に変換する前処理が決定的に重要な役割を果たすことを予想している。そのような分類方法を適宜試行することで、正答率の高いニューラルネットワークを構築するとともにその背後にある物理的機構を理解することを目指す。
|
Report
(1 results)
Research Products
(12 results)