Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
理論的・実験的問題点が指摘されている素粒子標準模型の拡張に当たり、ゲージ及び重力相互作用を統一的に記述し素粒子統一理論の候補と期待される超弦理論に注目する。余剰次元空間を予言する弦理論において、真空解であるカラビヤウ多様体は無数に存在し、その有効理論の構造は解明されていない。本研究では、機械学習/深層学習を用いて、カラビヤウ多様体上の超弦理論の有効理論の全貌を明らかにすることを目的とする。
本年度は、IIA型超弦理論におけるブレーン交叉模型に対して、深層学習の一種であるオートエンコーダを適用しブレーン模型の持つ特徴量を抽出した。クォークとレプトンの世代数が一致する、もしくは一致しないブレーン模型をオートエンコーダのニューラルネットワークのインプットデータとした。インプットデータはIIA型超弦理論の満たすべき様々な制約条件を満たしている。学習後のオートエンコーダに基づき、ニューラルネットワークの中間層である2次元のボトルネックレイヤーを解析すると、クォークとレプトンの世代数が一致する現実的なD6ブレーン模型がクラスター化されることを明らかにした。特に、そのクラスターはクォーク・レプトンと結合しないD6ブレーンの持つ電荷で特徴づけられている。このことはD6ブレーンの持つ電荷に注目した解析を行うことで、効率的に現実的なDブレーン模型の構築が実行可能であることを示唆している。次年度に、この構造の背後にある起源を明らかにしていきたい。素粒子の世代数を決定するトポロジカル量は、弦理論における様々な制約条件を満たす必要がある。トポロジカル量は、IIB型超弦理論やヘテロ型超弦理論における余剰次元空間上の磁場やIIA型超弦理論におけるブレーンの交叉角に対応する。本年度は、このトポロジカル量の上限値が弦理論におけるタドポール条件(Dブレーンの電荷保存則)により決定されていることを定量的に示した。次年度は、この得られた解析的な式に基づき、機械学習を用いた弦理論の有効理論の構築を進めていきたい。
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
IIA型超弦理論のブレーン模型において、オートエンコーダーを用いて素粒子の世代数を解明する研究が進展した。そのため、おおむね順調に進展していると判断した。
様々な機械学習・深層学習の手法を活用し、弦理論の有効理論の構築とその現象論研究を行い、実験・観測データとの比較検証を行う。当初の研究計画の実施のみならず、当初の研究計画より広範な分野の研究課題を遂行予定である。
All 2024 2023 Other
All Int'l Joint Research (2 results) Journal Article (6 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Peer Reviewed: 6 results, Open Access: 6 results) Presentation (9 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Invited: 1 results) Remarks (2 results)
Journal of High Energy Physics
Volume: 2024 Issue: 1 Pages: 1-22
10.1007/jhep01(2024)121
Volume: 2024 Issue: 2 Pages: 1-49
10.1007/jhep02(2024)099
Volume: 2024 Issue: 1 Pages: 059-059
10.1007/jhep01(2024)059
Volume: 2024 Issue: 1 Pages: 200-200
10.1007/jhep01(2024)200
Volume: 2023 Issue: 12 Pages: 136-136
10.1007/jhep12(2023)136
Volume: 2023 Issue: 12 Pages: 021-021
10.1007/jhep12(2023)021
https://researchmap.jp/7000017471
https://sites.google.com/view/kyushu-het