Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
グラム陰性細菌外膜の主要糖脂質ECAや、内膜でタンパク質膜挿入に関与する糖脂質MPIase、内膜保護に関わる糖脂質BPFは、細胞内における局在や機能が全く異なるものの、糖鎖構造は酷似している。さらに、ECAとMPIase・BPFでは、糖鎖生合成の基質・酵素を含めて生合成経路が全く異なる。本研究では、申請者らが発見・同定した糖脂質MPIase・BPFの生合成酵素を同定し、ECA生合成酵素と比較して各糖脂質の糖付加戦略を明らかにすることを目的とする。
グラム陰性細菌外膜の主要糖脂質ECAや、内膜でタンパク質膜挿入に関与する糖脂質 MPIase、内膜保護に関わる糖脂質BPFは、細胞内における局在や機能が全く異なるが、糖鎖構造はほぼ同一である。さらに、ECAとMPIase ・BPFでは、糖鎖生合成の基質・酵素を含めて生合成経路が全く異なる。ECAの生合成遺伝子はほとんどが同定されているが、それらの欠損株ではECAは発現しなくなるのに対してMPIaseの発現には全く影響がない。そのため、ECAとMPIaseの生合成遺伝子はお互い独立しており重複がない。本年度はMPIaseの生合成遺伝子の同定を中心に研究を進めた。MPIaseはアセチル化された3種のアミノ糖からなる糖ユニットが10回程度繰り返した糖鎖をもつ。mini-MPIaseは3糖ユニットを一個だけ有するMPIaseの部分化学合成標品である。MPIaseの構造を考慮すると、mini-MPIaseは3糖ユニットの供与体であり受容体でもあると考えられる。大腸菌の可溶化膜とmini-MPIaseを混合して再構成したプロテオリポソームを37℃で保温すると3糖ユニットの重合する様子が観察された。この3糖重合酵素を同定するため、可溶化膜を陰イオン交換カラムに供すると、重合活性をもつ画分が得られた。この酵素を同定するため、さらなるカラムクロマトグラフィーを行っている。ASKAライブラリーは大腸菌の4000あまりの遺伝子をそれぞれクローン化したものであり、それぞれの遺伝子を過剰発現することができる。ASKAクローンを検索したところ、manC遺伝子を過剰発現するとMPIaseが増加することが判明した。したがって、MPIase のManNAcAはGDPで活性化した糖ヌクレオチドが使用されることが強く示唆された。
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
MPIaseの生合成遺伝子を探索した結果、複数の方法で候補遺伝子・酵素がリストアップできたため。
早い段階でMPIase生合成酵素を特定し、ECAとMPIaseの生合成様式の差異について詳細に明らかにする。
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Genes to Cells
Volume: 29 Issue: 4 Pages: 347-355
10.1111/gtc.13104
Chemistry A European Journal
Volume: - Issue: 30
10.1002/chem.202300437
FEMS Microbiology Letters
Volume: 370
10.1093/femsle/fnad131
http://news7a1.atm.iwate-u.ac.jp/~sec/