Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
一部の自閉症児において前頭前野など脳局所の肥大が観察されている。肥大は生後発達期に一過的に起こることも報告されている。生後発達期は神経回路の可塑性が大きいため、局所脳肥大が何らかの神経ネットワーク構築過程に異常を引き起こすことで社会性低下等の行動異常に繋がっている可能性が考えられる。本研究では、生後発達期前頭前野肥大と社会性行動異常を示す自閉症モデルマウスを用い、肥大を基点とする神経ネットワーク構築異常を全脳レベルで捉えることで、社会性行動変容の基盤となる広域脳動態の解明を目指す。
一部の神経発達症患者において前頭前皮質など脳局所のサイズ変化が観察されている。サイズの変化は生後発達期に一過的に見られることも報告されている。生後発達期は神経回路の可塑性が大きいため、局所的な脳サイズの変化が何らかの神経ネットワーク構築過程に異常を引き起こすことで社会性低下等の行動異常につながっている可能性が考えられる。局所脳サイズ変化が成長後の脳回路形成にもたらす変化を調べるため、生後発達期前頭前皮質のサイズ変化と社会性行動異常を示す自閉症モデルマウスを用い、神経ネットワークの状態を全脳レベルで捉えた。今年度は、行動異常を示す時期である成体において、脳領域間のコネクティビティ相関の変化を調べた。その結果、いくつかの脳領域と前頭前皮質間のコネクティビティが自閉症モデルマウスにおいて変化している可能性が示唆された。
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
生後発達期に前頭前皮質のサイズ変化を示し、成体において社会性行動異常を呈する自閉症モデルマウスにおいて、全脳レベルの神経ネットワーク変化を調べた。その結果、いくつかの脳領域と前頭前皮質間のコネクティビティが変化している可能性が示唆された。
成体において見られた神経回路の変化が、発達期の段階のいつから見られるのかを経時的に調べる。これにより、発達期の局所脳肥大を起点としていかなる回路変化が成体における行動変容につながるのかを明らかにしたい。
All 2023
All Journal Article (1 results)
細胞
Volume: 55 Pages: 828-831