Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
ヒトの行動の根幹となる意思決定の神経機構を理解することは、脳科学の重要な目標となっている。中脳ドパミン系-基底核回路に注目した研究により報酬履歴からの行動価値計算に基づく意思決定機構について多くの知見が得られてきた。しかしながら、このような過去の試行結果による強化学習モデルのみでは、ヒトの柔軟な意思決定を説明するのは困難である。ヒトには「認知的柔軟性」の能力が備わっており、状況変化に応じて柔軟かつ臨機応変に行動することができるが、その生物学的基盤について詳細は不明である。本研究では、状況により巧みに認知バイアスを働かせることで柔軟かつ的確に意思決定する行動変容の神経回路機構を解明する。