Plasticity of pollen tubes in hermaphrodite flowers controlled by microfluidic channels
Publicly Offered Research
Project Area | Genomic dynamics underlying the plastic hermaphroditism in plants: the basis of exploratory reproductive adaptations. |
Project/Area Number |
23H04739
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (III)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 良勝 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 特任准教授 (30414014)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,380,000 (Direct Cost: ¥12,600,000、Indirect Cost: ¥3,780,000)
Fiscal Year 2024: ¥8,190,000 (Direct Cost: ¥6,300,000、Indirect Cost: ¥1,890,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,190,000 (Direct Cost: ¥6,300,000、Indirect Cost: ¥1,890,000)
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Keywords | 花粉管 / 機械刺激 / マイクロデバイス / 両性花 / マイクロ流路 |
Outline of Research at the Start |
両性花では2つの精細胞を花粉管に託し重複受精を可能にするが、めしべ内を通る花粉管の道のりには化学的、物理的なバリヤーが存在する。これを乗り越えるため、両性花はその進化過程で花粉管にどのような能力を獲得させてきたのだろうか。本研究では、先端イメージング技術、有機合成蛍光プローブ開発技術に加え、微細加工技術を駆使して花粉管の化学的、物理的バリヤー突破機構をマイクロ流路上で再現する再構成系を確立し、本領域に広く通じる作動因子動態解析の新技術を開発することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
両性花では2つの精細胞を花粉管に託し重複受精を可能にするが、めしべ内を通る花粉管の道のりには化学的、物理的なバリヤーが存在する。これを乗り越えるため、両性花はその進化過程で花粉管にどのような能力を獲得させてきたのだろうか。本研究では、先端イメージング技術、有機合成蛍光プローブ開発技術に加え、微細加工技術を駆使して花粉管の化学的、物理的バリヤー突破機構をマイクロ流路上で再現する再構成系を確立し、本領域に広く通じる作動因子動態解析の新技術を開発することを目指している。 微細加工技術を用いて、左右2つに分かれる狭小二股デバイスを作製した。この流路に花粉管を導き、どちらのデバイスに侵入するかを調べたところ、狭小流路の幅が同じサイズのときには侵入する花粉管数に有意差は観られなかった。一方、流路幅を変えた場合には、花粉管は広い流路を選択することが明らかになった。このことは雌組織内においても、花粉管は物理的な空間として広い方を選択できる可能性を示唆している。また、等幅の狭小二股デバイスでは20%もの割合で分岐し、両方の狭小流路を伸長することも明らかになり、花粉管の柔軟な能力を浮き彫りにした。一方、このようなマイクロデバイスを用いた物理障壁に対する花粉管の挙動解析には、細胞内部の分子動態も調べる必要がある。そこで、花粉管内部のオーキシンに着目した。オーキシンは植物の様々な発生、環境応答現象を制御し、花粉管の成長促進やペクチン量の増加にも働く。しかし、その細胞内分布、そしてその動態に関しては、解析の術がないのが現状であった。そこで、従来の蛍光 オーキシンよりも約100倍の明るさを有し、長時間イメージング可能な蛍光オーキシンを開発し、その細胞内ライブイメージングに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
微細加工技術をもちいた花粉管ガイダンス用デバイスについては、テスラバルブに触発されたマイクロ流路を作成したものの乱流を思い通りに制御することができなかった。一方、狭小二股デバイスにより、花粉管の柔軟な潜在能力を浮き彫りにすることができた。また、有機合成学者との共同研究により、明るく細胞浸透性の高い秀逸な蛍光オーキシンの開発には成功しており、これをケージングして、ヒメツリガネゴケをモデルに任意のタイミングで光らせることにも成功している。花粉管細胞内への導入にも成功している。さらに、先端成長細胞の動体追尾イメージングにも成功しており、現在までに通常の観察方法ではカメラの視野からフレームアウトしてしまう長時間観察が可能になっている。花粉管ガイダンス分子の形質転換も順調に進行しており、花粉管先端部に局在し、狭小二股デバイスにおいては、伸長する側でより強い蛍光が見られることも明らかになった。以上から、おおむね順調に進捗していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
第一に、狭小流路通過時の細胞骨格動態、特にアクチン繊維動態について着目し、狭小流路選択機構を明らかにする。具体的には、アクチンに結合するFtractinをタグとして、GFP-Ftractin, mScarlet-Ftractinを発現するベクターを作成し、形質転換個体にてライブイメージング解析を行う。第二に花粉管の伸長制御に関わるPRKの動態に着目し、GFP-TfPRK1の動態をライブメージング解析し、狭小流路選択におけるTfPRK1の役割を明らかにする。さらに、花粉管内部のオーキシン動態と先端成長との関連性について、独自に開発した蛍光オーキシンを用いてその詳細を解析する。さらに、カルシウムイオンイメージングにも注力し、上記の細胞内部の分子動態の関連性について詳細に解析する。また、胚珠が花粉管を誘引する花粉管ガイダンスの過程においては、花粉管は誘引物質(LURE)に対して化学屈性を示すことが知られている。しかし、従来の花粉管誘引アッセイは一本の花粉管ごとに誘引物質をコーティングしたゲラチンビーズを近ける秀逸な方法である一方で、熟練の技術が必要でありスループットが得られないタイムコンシューミングであることが課題である。そこで、マイクロデバイスの形状を駆使し、ハイスループットな花粉管誘引アッセイの確立を目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)