Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
非アレルギー性くしゃみ反射を誘発する天然有機化合物に注目し、くしゃみ誘発活性の定量法を確立して新たな化合物の探索および既知のくしゃみ誘発物質の構造活性相関を調べる研究を行った。くしゃみ誘発活性試験法として、定期的にオブアルブミンを投与することで鼻アレルギーマウスモデルを作成し、その鼻孔に試料を塗布してくしゃみの数を数える方法を採用した。アレルギー状態の減衰やマウスの個体差の補正のためにポジティブコントロールを並行して用いることで、くしゃみ誘発活性の定量法を確立した。アカクラゲ由来のくしゃみ誘発物質の探索:ハクションクラゲの別名を持つアカクラゲから、くしゃみ誘発物質を単離、構造決定する目的で研究を行った。これまでにアカクラゲからくしゃみを誘発する化合物として3種の不飽和脂肪酸を同定したが、今回改めて抽出方法の検討から行った。その結果、アカクラゲの触手の乾燥粉を水にて抽出した溶液には、時間経過と共に活性の減衰するくしゃみ誘発物質が存在することがわかり、これを短時間で精製を試みた結果、活性本体はタンパク性の刺胞毒である可能性を示唆する実験結果が得られた。グラヤノトキシン類の構造とくしゃみ誘発活性との相関に関する研究:くしゃみを誘発することが知られているグラヤノトキシン類をハナヒリノキやアセビから抽出、化学誘導し、14種類の類縁体を得た。これらのくしゃみ誘発活性の定量を行った結果、グラヤノトキシンIが最も強いくしゃみ誘発活性を示し、その異性体では全く活性を示さないことが明らかとなり、分子構造のわずかな違いを正確に見分けるくしゃみ受容体の存在が示唆された。試験したグラヤノトキシン類のくしゃみ誘発活性と構造の相関は毒性やナトリウムイオンチャネル開口活性と構造の相関に近いことがわかり、ナトリウムイオンチャネルへの作用がくしゃみ誘発に関わると予想している。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Presentation (9 results) (of which Invited: 3 results)