Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究は極低温分子を用いた新規な高精度分子分光手法を確立し、電子・陽子質量比の恒常性検証を目指した研究である。分子分光の高精度化には、①分子の観測時間を長くすることによる分光線幅の狭窄化、②S/Nの向上の2点がどちらも重要となる。①のテーマに対しては、分子の温度を下げることによって、分子の観測時間を長くすることができる。我々はKRb分子のX1Σ+,v=0→b3Π0,v=0遷移が分子の狭線幅なレーザー冷却に適している(Franck-Condon因子が大きい、自然幅が適度に細い)ということを分光実験から明らかにした。また、この遷移も用いたレーザー冷却により、分子温度を1uK以下に下げる手法を提案し、Physical Review A (rapid communications)へ投稿した。また、分子検出のためのイオン化ビームを広げることで、観測領域を広げ、観測時間を長くすることにも成功した。②のテーマに関して実験的に模索した結果、分子数を増やすことが単純ではあるが非常に有効であった。我々の実験において、分子は原子気体に対して光会合レーザーを入射して生成される。このときの光会合レーザーの光源を半導体レーザー(Tapered Amplifier)からチタンサファイヤレーザーに置き換えることで、ハイパワー化し光会合の効率を上昇させ、分子数を大幅に増やすことができた。以上の点に加え、種々の実験的な改善を加えることで、電子・陽子質量比の恒常性検証実験の高精度化に成功した。現在、投稿論文を作成中ではあるが、これまでに分子を用いて行われている電子・陽子質量比の恒常性検証実験の精度を2倍以上更新する精度を実現した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2014 2013 2012 Other
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results, Open Access: 1 results, Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (10 results) (of which Invited: 2 results) Remarks (1 results)
Physical Review A
Volume: 89 Issue: 2 Pages: 021401-021401
10.1103/physreva.89.021401
http://ultracold.t.u-tokyo.ac.jp/